2022年2月15日・広島ー国連ユニタール持続可能な繁栄局・広島事務所は、2022年2月25日より今年度の核軍縮不拡散研修プログラムを実施します。19か国の外務省・防衛省職員を対象としており、核兵器をめぐる現状や課題を学び、国際会議などの場での交渉力を高めるオンラインの研修となっています。 2021年8月6日に開催された、本プログラムに関連する公開ウェビナーを振り返ります。
広島にとって大切なこの8月6日に、国連ユニタールは国連軍縮部(UNODA)、広島県、へいわ創造機構ひろしま(HOPe)、国連ユニタール協会との共催で、核兵器廃絶に関するオンラインでの公開討論を開催しました。持続可能な世界の構築のためには、国際機関、民間セクター、青少年など幅広いアクターの参加と議論が鍵となり、本セミナーはまさにそのことを体現したものとなりました。
セミナーは以下の3部構成で開催され、聴衆を巻き込んで活発な議論が行われました。
核兵器廃絶と持続可能な未来の実現に向けて~ひろしまからの呼びかけ~
第1部の「核兵器廃絶と持続可能な未来の実現に向けて~ひろしまからの呼びかけ~」と題したハイレベル・セッションでは、国連事務次長補兼ユニタール総代表のニキル・セス氏がモデレーターを務め、国際連合事務次長兼軍縮担当上級代表の中満泉氏、広島県知事の湯﨑英彦氏、英国王立国際問題研究所安全保障研究部長のパトリシア・ルイス氏が現在の国際情勢を分析したうえで平和の実現のために重要となる視点について議論を行いました。
このようななか、広島県は核兵器廃絶に向けた協働のためのプラットフォームを構築すべく、「ひろしまイニシアティブ」を策定し推進しています。
湯﨑知事は、環境問題に対する近年の世界的な動きからも見て取れるように、
多様な視点を取り入れることで創造的な解決策が生み出される
と強調し、「ひろしまイニシアティブ」はまさにそれを行おうとしていると述べました。
セス氏はパネリストらの議論を受け、「核兵器廃絶はグローバルな運動」でなければならず、そこには若者、女性、民間セクター、そしてすべての国と地域が含まれなければならないと強調しました。
軍縮に向けた民間セクターの協働
第2部は「軍縮に向けた民間セクターの協働」と題して、国連ユニタール持続可能な繫栄局長・広島事務所長の隈元美穂子氏がモデレーターが務め、Microsoft社からデジタル外交シニア・ディレクターのカジャ・シグリック氏、日本生活協同組合連合会から副会長の新井ちとせ氏、株式会社テレビ新広島から代表取締役社長の箕輪幸人氏が参加をして、多様な視点から議論を行いました。
軍縮に向けた若者たちの協働
第3部は、国連ユニタールインターン・広島大学大学院人間社会科学研究科の菅野計馬氏と赤井理子氏による司会によって若者たちの役割、活動、可能性などについて活発な議論が行われました。前半ではDeportare Parners CEO・国連ユニタール親善大使の為末大氏による講演を受け、両司会者と聴衆と今の若者の強み、平和の定義、そして想像することと対話の重要性などについて議論が行われました。
後半では計4団体・5名の若者による平和活動の紹介が行われました。高校生平和大使からは23代大使(長崎)の大隈ゆうか氏と23代大使(広島)の楠康生氏、50cm.からは代表の内野そら氏、Youth4Disarmament/軍縮のためのユース国連ユースチャンピョンのクリステル・バーカット氏、そしてSDGs – SWYから落合航一郎氏が登壇しました。活動はそれぞれ違えども、共通する意見として、平和活動は決して難しいことではなく、日々の生活のなかで考え意見を交換するなどといった小さなことから、しかし若者だからこそクリエイティブな方法で、すべての人が平和とSDGsの実現に貢献できるといった声が挙げられました。
国連ユニタール持続可能な繁栄局・広島事務所は、2022年2月25日より今年度の核軍縮不拡散研修プログラムを実施します。19か国の外務省・防衛省職員を対象としており、核兵器をめぐる現状や課題を学び、国際会議などの場での交渉力を高めるオンラインの研修となっています。