国連ユニタール親善大使は、様々な分野で活躍する著名人がその知名度や経験を活かし、国連ユニタール及び持続可能な繁栄局、広島事務所の周知や啓発活動に協力していただく制度です。大使は無報酬で1年間、持続可能な開発目標(SDGs)や平和、ジェンダーなど、様々な分野での発信と働き掛けを行います。
国連親善大使は様々な分野で活躍する著名人が、その知名度を活かして、無報酬で国連ユニタールを含む国連の活動をサポートしていきます。芸術、科学、芸能やスポーツなど幅広い分野の最前線で活躍する著名人が、その才能とエネルギーを使って、国連機関の活動や意義を広く普及し啓発活動を展開していきます。また、持続可能な開発目標(SDGs)推進に向けて社会経済や環境の持続可能性確保への協力を呼びかけていきます。国連ユニタール親善大使は、国連ユニタールと共に世界の人びとの生活向上に貢献していきます。
親善大使 - 持続可能な繁栄局(2021年7月~ ) 為末大さん
400mハードル日本記録をもつ、元陸上選手の為末大さんが、2021年7月から国連ユニタール親善大使を務めています。
為末さんは、スプリント種目の世界大会で日本人として初めてメダルを獲得し、シドニー・アテネ・北京と3度のオリンピックに日本代表として出場しました。2001年に男子400メートルハードルで日本記録を樹立され、2022年7月現在もその記録は破られていません。
広島市出身で、被爆三世でもあり、これまで様々な方法で世界中に平和や持続可能な社会のための対話を呼び掛けてきました。2012年に現役引退後、現在はDeportare Partnersの代表を務めています。また、「テクノロジーとコミュニティの力で、誰もが分け隔てなく自分を表現することを楽しんでいる風景を作る」をコンセプトに運営する新豊洲Brilliaランニングスタジアムの館長としてパラスポーツの推進にも尽力。2015年にはブータン五輪委員会のスポーツ親善大使に就任。一般社団法人アスリートソサエティの代表として、国際レベルのコーチが少ない発展途上国の競技力向上の支援も行ってきました。
「国籍や文化の違いを超えて、スポーツはみんなを一つにする力がある。国連ユニタールの活動にとても共感し、自分もスポーツの力で世界平和に貢献していきたい」と為末さんは語ります。
為末さんには親善大使の就任前から国連ユニタールの活動にご協力いただいており、2021年3月25日に開催したオンラインフォーラム「私たちの未来を創るために ~ 25年後の未来を見据えたスポーツと平和 ~」ではパネリストとして登壇しました。今後、国連ユニタール親善大使として、SDGs関連のビデオ出演や2021年8月6日の公開セッションで広島の若者との対談などを予定しています。
「私たちはみんな同じ舟に乗っている仲間。メッセージを発信するだけでなく、対話を深めていくことが重要です。平和は完成するものではなく、そこにむけて私たちがずっと話し合いながら、時々ぶつかりながら、工夫をしあって協力していくものではないかと思います」と述べています。
為末さんのアスリートとして国内外での活躍と経験、そして、社会への貢献を願う思いは国連の理念や使命と一致するものです。国連ユニタールは、今後為末さんと一緒にスポーツの力を通じて持続可能な開発目標の達成や相互理解の促進に寄与してまいります。
ビデオメッセージ
親善大使 - 広島事務所(2015~2016年 ) 黒田博樹さん
国連ユニタール広島事務所の平和と復興のメッセージを発信するため、2015年9月、元プロ野球選手の黒田博樹さんを国連ユニタール初代親善大使に任命しました。
黒田さんは1997年に広島東洋カープに入団し、2008年にアメリカのメジャーリーグに移籍。2004年のアテネオリンピックには日本代表として参加し、銅メダル獲得に貢献しました。ロサンジェルスドジャース、次いでニューヨークヤンキーズでプレー。2015年にはメジャーリーグのオファーを断り古巣の広島東洋カープに電撃復帰を決めたことで大きな話題を呼び、2016年に現役を引退するまで広島の街を歓喜に沸かせました。黒田さんの国際的な活躍と国内外での認知度の高さ、そして国際平和に関する興味・関心への高さから、国連ユニタール広島事務所の親善大使任命に至りました。
カープ球団が原爆投下のわずか5年後に結成され、困難を乗り越えながら飛躍を遂げてきたことから、カープは戦後復興のシンボルと見られてもきました。
「私は平和都市広島に育てられました。平和の志を持った人々が育つことで世界の平和はもっと大きく育っていく」と黒田さんは話します。9月の「国際平和デー」には、マツダZoom-Zoomスタジアムで、国際協力機構(JICA)中国センターなどとの共催で特別イベントを開催するなど、広島の希望や強靭な回復力などのメッセージを発信してきました。
国連ユニタール広島事務所は、「スポーツと平和」の分野でも、リーダーシップ向上に貢献しています。2015年には、中国新聞社と米国USAID-米国国際開発庁の特別協力で、アフガニスタン女子代表チームとアンジュヴィオレ広島の親善試合を開催したこともあります。
新型コロナウイルスのパンデミックによって女性、LGBTQ+、若者、高齢者、障がい者、先住民、難民など社会的に弱い立場におかれた人々が最も大きな打撃を受けています。今後、最貧困層にある人々の数が約1億人増えるとも言われています。国連ユニタール持続可能な繁栄局は、様々な学びや研修の機会を通じて格差の是正に取り組み、豊かでインクルーシブかつ持続可能な社会の実現と持続可能な開発目標(SDGs)の達成に貢献していきます。