国連ユニタール持続可能な繁栄局ニュースレターの第1号をお届けします。国連ユニタールの様々なプログラムや取組をご紹介しています。既刊についてはこちら(英文はこちら)。FacebookInstagramLinkedInTwitterをフォローしていただくと、最新情報をご覧いただけます。ニュースレターご購読のお申し込み・解除、ご質問・ご意見は、prosperity_communications@unitar.orgまでメールをお送りください。

※リンク先が英文となっている場合があります。ご了承ください。

400mハードル日本記録保持者の為末大さん、ユニタール親善大使に

Dai Tamesue, UNITAR Goodwill Ambassador

世界陸上選手権400mハードルで2回銅メダルを獲得した為末大さんが、2021年7月に国連ユニタール親善大使に就任しました。世界陸上選手権でメダルを獲得した初めての日本選手で、シドニーオリンピック(2000年)、アテネオリンピック(2004年)、北京オリンピック(2008年)にも日本代表として出場しました。広島市出身で被爆3世でもあり、2012年の現役引退後は、アジアの国々のアスリートの支援、パラスポーツの支援、国際平和のためのメッセージの発信などに尽力しています。

親善大使は、持続可能な開発目標(SDGs)達成を促すため、様々な分野で影響力のある方々にご就任いただいています。為末さんのように著名で国際的な経験があり、他者のために働き掛ける取組を続けてこられた方にご就任いただき、うれしく思っています。為末さんは就任後、2021年8月6日に広島の若者とのオンライン意見交換に参加し、SDGsに関連するビデオメッセージなどに出演する予定です。

新たなデジタルファイナンスの取組を開始

ユニタールは、デジタル格差の縮小とファイナンシャルインクルージョン(金融包摂)の拡大を目的とした「デジタル・ファイナンス・イニシアチブ」を立ち上げました。世界的なCOVID-19の感染拡大により、デジタル・仮想での環境が日常生活の中心となりつつある一方で、アクセスできない多くの人々もいます。このプログラムは、研修を通して、国や組織が人々に不可欠なデジタルと金融の知識とスキルを学ぶための支援を目的としています。

立ち上げを記念し、2021年4月21日の「世界創造性とイノベーションの日」に合わせたデジタルファイナンスに関する初の年次バーチャル会合が開催されました。この会議では、持続可能な開発におけるFinTechイノベーションの役割に関する3つのパネルディスカッションが行われました。アジア開発銀行Deloitte Switzerlandジュネーブ大学Geneva Finance Research InstituteInstimatch Globalハンガリー国立銀行SIX Digital ExchangeSwiss Finance and Technology Associationから、パネリストが参加しました。

2021年8月より、FinTech、ブロックチェーン、人工知能(AI)、デジタル金融犯罪対策から、持続可能な開発のためのデジタルイノベーションまでのテーマを扱うデジタルファイナンスに関するオンラインコースのシリーズが開始する予定です。ユニタールでは現在、このコースへの参加応募を受け付けています。応募は以下のリンクから:www.unitar.org/digitalfinance.(応募受付はすでに終了しています)

バーチャル会議の動画はこちら

アフガニスタン、イラク、南スーダン:起業家支援コースを開始

COVID-19の感染拡大による公衆衛生や失業の悪化などに対応できる人材を養うことを主眼に、2021年の起業家のための研修プログラムを実施します。日本政府の支援のもと、アフガニスタン、イラク、南スーダンの起業家が自国の社会的ニーズに応え、持続可能な復興を促進することを目的に、研修生のエンパワーメントをはかります。

2021年6月1日、「Building Bridges:南スーダンにおける起業とプロジェクト計画プログラム」を開始しました。本コースは、南スーダンの若者に起業家精神、プロジェクト管理、リーダーシップに関する知識とスキルを提供します。国際的な専門家とともに、南スーダンの指導チームが研修を実施し、公共、民間、市民セクター、学術、メディアから集まった75人の若手専門家を支援しています。

また、「COVID-19対応・復興プログラム:食料不安、公衆衛生、失業に取り組むのレジリエントな起業家のmobilizing結集-イラクの若者のために」を2021年8月20日に開始します。このコースは、デザイン思考、現代的なリーダーシップ、経営手法を用いて、新規事業の立ち上げや既存事業の拡大を行う150人の若手イノベーターへの研修を行います。研修には、自分のペースで進めるオンラインコースとウェビナー、そして参加者がビジネスモデルを作成し、発表するキャップストーンプロジェクト(課題研究・解決提案を行う最終プロジェクト)が含まれます。

さらに、「COVID-19 対応・復興支援プログラム:食料不安、公衆衛生、失業に取り組むレジリエントな起業家の結集-アフガニスタンの女性のために」も実施予定です。このプログラムは、アフガニスタンにおける社会的ニーズに取り組む女性起業家を対象としています。参加者は、自分のアイデアをCOVID-19感染拡大からの復興を支援する自己主導型ビジネスに変えていくスキルを身につけます。

こちらで南スーダンイラクの研修修了生からの声をお読みいただけます。

デジタルスキルアップ:アフガニスタン女性のエンパワーメント

2021年5月31日、新しい6週間のオンライン研修プログラム「インクルーシブな第4次産業革命(4IR)の牽引:デジタルリスキリングによるアフガニスタン女性のエンパワーメント」を開始しました。プログラミング、アプリケーション開発、デジタルリテラシーに加え、ジェンダーに特化したリーダーシップトレーニングが行われ、賃金格差の拡大やデジタル格差、COVID-19後の労働環境における新しい課題に対処できるようになることを目的としています。

第1回のプログラムには300人以上が参加し、オンライン・ハッカソン(hackathon)で締めくくりを迎えました。第2回は2021年7月19日から開始され、300人が参加しています。第3回、第4回の開催も予定されています。

また、カメルーン、チャド、セネガル、ニジェール、ブルキナファソ、マリ、モーリタニアの研修生を対象とした、フランス語での同様の内容のコースも近く始まります。このサハラ砂漠南縁部のサヘル地域プログラムでは、現在第1回の応募を2021年9月7日まで受け付けています。

さらに、イラクの人々を対象としたパイロットプログラムも、2021年10月頃に開始される予定です。

アフガニスタンプログラムはスウェーデン国際開発庁(SIDA)のユニタール戦略的枠組み基金への寄付金を財源に、サヘル地域へのプログラムは日本政府からの支援で実施されます。イラクプログラムは、広島県の支援のもと実施されます。

ITS Education Asiaとともに青少年大使・アジア太平洋プログラムを立ち上げ

Youth Ambassador Asia-Pacific Programme

ITS Education Asiaと共同で、「国連ユニタール青少年大使・アジア太平洋プログラム」を2021年9月に立ち上げます。今年度は香港の高校生を対象とし、2022年に中国の各都市に、2023年には他のアジア太平洋諸国に拡大する計画です。

本プログラムでは、10週間のコースで持続可能な開発とSDGsについて学び、参加者が各自でSDGs達成を促進する開発計画をデザインすることで、COVID-19感染拡大からより環境に配慮したより良い復興を果たす力を高校生に与えることを目的としています。プログラム開始の1週間前となる2021年9月18日には、教育機関やNGOのパネリストに加え、広島の青少年大使プログラムの卒業生を招いた特別ウェビナーを開催する予定です。

広島での青少年大使プログラムは2010年に開始され、2021年度には22名の広島青少年大使が、3カ月間のオンラインワークショップに参加しています。

青少年大使の体験談はこちらでお読みいただけます。

お知らせ

  • 核兵器廃絶に関する特別ウェビナーを開催
    • 2021年8月6日、ユニタールは国連軍縮部(UNODA)、広島県へいわ創造機構ひろしま(HOPe)と共同で、核兵器廃絶の推進に関する無料公開ウェビナーを開催しました。3つのパネルディスカッションを通じて、最近の核兵器廃絶についての論説や、ステークホルダー間の協力を促進する様々なユニークな視点が紹介されました。パネリストは、中満泉氏(国連事務次長兼軍縮担当上級代表)、湯崎英彦氏(広島県知事)、Dr. Patricia Lewis(Chatham House、国際安全保障プログラムディレクター)、Ms. Kaja Ciglic(Microsoft社、デジタル平和イニシアチブ、デジタル外交担当シニアディレクター)などです。
  • UNITAR、EdApp、UNESCOが共同で人工知能の新コースを開始
    • ユニタールは、EdApp国連教育科学文化機関(ユネスコ)との共同で、学習機会の充実をはかっています。このたび、AIの倫理的使用と人権、テクノロジーの交差に焦点を当てた「人工知能(AI)と人権」の新コースを開始しました。ユニタールの4IRに関するプログラムでも試験的に組み込まれており、修了生は「ICTとデジタルテクノロジーの基礎知識を得ることは、特に私たちアフガニスタンの女性にとって、アフガニスタンを安全で平和な場所にするために必要不可欠です 」と語っています。本コースは、EdAppの「Educate All Initiative」を通じた最も遠くにいる人に最初に届ける努力の一つとして、無料で一般公開されています。EdAppで無料の一般公開されているコースの成果については、グローバルインパクトレポートでご覧いただけます。
  • ユニタールと国連食糧農業機関(FAO)が近東/中東・北アフリカ(NENA)地域向けの貿易と食料安全保障に関するアラビア語の無料コースを開始

このニュースレターは国連ボランティアの協力のもと作成されました:

Muhammad Rashedul Hasan, Paul Ssemanda, Riffat Abbas, Grace Gunawan, and Deepika Nijwala.

シェアする