- 国連ユニタールは、2025年8月25日から8月28日にかけて、アジア4か国および広島県からの若者計13名を迎え、「SDGsとデジタル未来:AIとデジタル・ストーリーテリングで切り拓く変革」研修・スタディツアーを広島市内で開催しました。
- スタディツアーでは、広島平和記念資料館訪問や平和記念公園のVRガイドツアー、被爆者講話、デジタルツールの活用事例を学ぶワークショップや企業視察等を実施しました。
- 最終日、参加者は、AIやデジタル技術を活用して制作するストーリーテリング企画を発表しました。
2025年8月28日、広島 - 国連訓練調査研究所(ユニタール)は、2025年8月25日から8月28日にかけて、アジア4か国および広島県からの若者計13名を迎え、「SDGsとデジタル未来:AIとデジタル・ストーリーテリングで切り拓く変革」研修・スタディツアーを広島市内で開催しました。同事業は、広島県および広島市の資金提供を受け、一般社団法人国連ユニタール協会の協力のもと国連ユニタールが実施しています。AIやデジタル・ストーリーテリングを社会変革のツールとして活用する能力を若者の間に育むことを目的としています。
広島スタディツアーでの学び
4日間にわたるスタディツアーは、8月25日に開始しました。株式会社スピングルカンパニーとのコラボレーションにより、参加者は「折り鶴再生スニーカー」を受け取りました。これは、平和のメッセージを世界に発信する創造的な方法を、デザインを通じて直接体験する貴重な機会となりました。
また、広島平和記念資料館訪問やVR(バーチャルリアリティ)技術を用いた平和記念公園のガイドツアー、広島の被爆者である小倉佳子さんによる講話など、被爆地広島の実体験に基づく学習が行われました。さらに、地元企業の視察や、日本マイクロソフト株式会社の専門家によるマインクラフトなどのデジタルツール活用に関する講義、効果的なストーリーテリングのための新技術の活用について理解を深め、持続可能な未来を想像するためのヒントを得ました。
AIやデジタルツールが社会でますます重要な役割を果たしている今こそ、研修を受ける最良のタイミングです。この研修プログラムは物理的な空間とデジタル空間での活動との橋渡しとなり、特に私自身の芸術と環境、芸術と記憶の研究に関して大きな意義のあるものでした。― マグパンタイ・アンドレ・オリオンド、国連ユニタール研修参加者(フィリピン)
この研修で最も意義深いと感じていることは、自分の物語を作ることです。AIを使って物語を創作し、自分の想像力がどこまで広がるのかを確かめることができるのです。ー金沢 晶豊、国連ユニタール研修参加者(日本)
AIを使って動画や画像を制作ための体系的なアプローチに非常に感銘を受けました。これまで何度もAIを使ったことはありましたが、このように体系立てて学ぶのは初めてでした。― チャン・アイン・トー、国連ユニタール研修参加者(ベトナム)
参加者によるストーリーテリング制作
スタディツアーの最終日である8月28日には、参加者がそれぞれのストーリーテリングの制作物を発表しました。各企画は、AIやデジタル技術を活用し、持続可能な発展の実現に向けて、地域や社会の課題解決に取り組む内容です。提案には、被爆体験を次世代に伝えるためのAI活用プロジェクト、デジタルマッピング技術を用いた自然災害からの復興と教訓の継承、女性と社会経済的に地位が低いこどもの教育機会拡大などが含まれました。(tentative)
参加者は、この後、メンターの指導のもとでさらに自身のプロジェクトを練り上げ、プログラムの最終フェーズとして2025年内に行われるハイブリッド形式の国際イベントにて最終制作物を発表します。若きリーダーたちがデジタルツールを用いてより持続可能で平和な未来を創造する姿が紹介されます。
「SDGsとデジタル未来:AIとデジタル・ストーリーテリングで切り拓く変革」研修事業について
本研修事業は、広島県と広島市の支援、および一般社団法人国連ユニタール協会の実施協力のもと、国連ユニタールが2025年6月から同年10月(予定)にかけて実施しています。同研修は、16歳から28歳の若者を対象とし、ハイブリッド形式で行っています。
研修は3つのフェーズで構成されています。
- 第1フェーズ:国内外の参加者22名が、専門家によるオンライン講義等を通して、AIツールの基本操作やSDGsに関する知識を習得しました。参加者は、アジア8か国(アフガニスタン、バングラデシュ、香港、インド、インドネシア、ネパール、フィリピン、ベトナム)および広島県からの若者です。
- 第2フェーズ:第1フェーズ参加者から選抜された計13名が、広島の対面式スタディツアーに参加しました。広島の平和と復興の教訓への学びを深め、参加者同士のネットワーキングの機会も得ました。
- 第3フェーズ:2025年10月(予定)に広島とオンラインのハイブリッド型で実施される国際イベントに参加し、デジタルストーリーテリングの制作物を発表します。
国連ユニタールについて
国連訓練調査研究所(ユニタール)は、研修事業に特化した国連機関です。2024年には、世界中で約55万人が受講し、より良い未来の実現のために世界各国の人材育成を支えています。ジュネーブ本部のほか、広島、ニューヨーク、ボンに事務所を構え、世界中にネットワークを持っています。2003年に設立された国連ユニタール広島事務所は、平和と復興の象徴である広島を拠点に、平和構築や核軍縮、紛争や災害からの復興に関する国際的な研修を展開し、世界の持続可能な平和と繁栄の実現に貢献しています。https://www.unitar.org/ja/hiroshima