• 国連ユニタールの「早期警報システムを用いた気候危機への緊急対応:だれ一人取り残さないために」研修事業は、2024924日の最終ウェビナーをもって第1フェーズを終了しました。
  • この第1フェーズは2024623日から924日にかけて実施され、EdAppプラットフォームと4つのバーチャル・クラスルームを利用したオンライン学習が行われました。
  • 2フェーズでは、成績優秀者30名を対象に、1111日から22日にかけて日本で対面式のスタディツアーが開催される予定です。
UNITAR

2024109  広島、日本 ―924日、国連ユニタールの実施する「早期警報システムを用いた気候危機への緊急対応:だれ一人取り残さないために」研修事業は、第4回ウェビナーをもって第1フェーズの最終日を迎えました。太平洋島嶼国16か国から集まった200名以上の熱心な実務者や専門家は、2か月間にわたるオンライン学習を通じて、早期警報システム(EWS)に関するリスク評価やツール、知識、技術についての理解を深めました。

1フェーズの成績上位者30名は1111日から22日にかけて日本で開催される第2フェーズの対面式ワークショップとスタディツアーに参加します。早期警報システムの専門家によるメンター指導とグループワークを通じて、参加者はそれぞれの国の地域住民に対して早期警報システムの効果的な指導を行うための計画を具体化します。参加者は、研修最終日にこの計画を発表する予定です。

日本政府のご支援の下で実施されるこの研修事業は、人々が気候に関連する災害リスクとその影響を最小限に抑えるための時宜にかなった迅速な行動を取ることを可能にし、太平洋地域のレジリエンスを強化することを目的としています。

第1フェーズ:早期警報システムについての理解を深める

723日の初回ウェビナーでは、変化を生み出す主体として、太平洋島嶼国からの参加者を歓迎しました。参加者は、プログラム概要の説明を受けた後、ブレイクアウトルームでのディスカッションを通じて、ネットワーキングを行いました。

86日の第2回ウェビナーでは、災害リスク軽減と早期警報システムの専門家であるVen Paolo B. Valenzuela 氏とDaniel Roger氏を講師に迎え、参加者は気候変動とそれが平和と安全保障に及ぼす影響についての講義を受けました。両氏の講演後、参加者は講師を交え、ディスカッションを行いました。

910日の第3回ウェビナーは、災害廃棄物管理と洪水の早期警報システムに焦点を当てて実施されました。この回には、東京大学の芳村圭教授と国際協力機構(JICA)の三村悟氏が登壇しました。地域ネットワークと協力関係を強化するため、国連ユニタールは新しいオンラインコミュニティ「Prosperity Unlimited(プロスペリティ・アンリミテッド)」を紹介しました。このコミュニティでは、参加者間のコラボレーションを促進するために、プログラムに関連するニュースや情報を発信し、ディスカッションの場や学習資料を提供しています。

最終回となる第4回ウェビナーが924日に開催され、太平洋共同体事務局のJudith Giblin氏と太平洋地域環境計画事務局(SPREP)のPatricia Mallam氏が、海洋・沿岸域のリスクや脆弱な人々の災害リスクについて講義を行いました。最後に国連ユニタールは、参加者の修了について以下の通り祝福の言葉を述べました。

「参加者の皆様の、プログラムの修了をお祝いするとともに、皆様の取り組みに感謝を申し上げます。オンライン学習の内容、そして日本での経験を活かし、早期警報システムの構築を太平洋島嶼国の文脈において実現できるよう、努めてまいります。」(リチャード・クライトン、EWSプログラムリーダー、サモア)

「早期警報システムを用いた気候危機への緊急対応」研修事業について

同研修事業は、太平洋島嶼国の人々や地域コミュニティが気候災害や異常気象の早期警報信号を効果的に伝達、監視、分析し、対応するための知識と技能を習得することを目的として実施しています。これにより、同事業は、人々の命を救い、気候関連の災害が社会的・経済的に及ぼす悪影響を軽減することに貢献します。

この事業は、国連ユニタールが日本政府の資金提供により実施する「しまなみコレクティブ」プログラムの一環として実施されています。同プログラムは、アジア太平洋地域災害に対するレジリエンスを構築し、海洋と人間の安全保障を強化するための一連の研修プログラムから構成され、特に若者と女性のエンパワーメントに重点を置き、「海洋と人間の安全保障」、「早期警報システム」、「災害リスク軽減における女性のリーダーシップ」の3分野での専門的な研修から構成されています。

同事業の詳細についてはこちらからご覧いただけます。

国連ユニタールについて

国連訓練調査研究所(ユニタール)は、1963年の設立以来、研修事業に特化した国連機関として、世界各国の人材開発を支えています。2023年には、54万人以上が受講。ジュネーブ本部のほか、ニューヨーク事務所、広島事務所、ボン事務所があり、様々なネットワークをもっています。2019年からは持続可能な繁栄局(Division for Prosperity)のもと、広島事務所と、ジュネーブ本部の財政・貿易ユニットの職員がともに、起業やリーダーシップ、貿易と金融、デジタル技術、軍縮などについてプログラムを展開しています。紛争後復興の過程にある国の人々への研修などには、原爆投下後から現在の平和都市に至る過程を一つの復興モデルとして講義に組み込むなど、平和で公正な社会の実現にも貢献しています。

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