2023年7月24日・広島‐国連訓練調査研究所(ユニタール)は、本部設立60周年およびユニタール広島事務所設立20周年を記念し、東京と広島で記念式典を開催しました。東京の式典は、6月29日に国連大学で、広島の式典は、6月30日にホテルメルパルク広島で開催しました。
東京会場には林芳正外務大臣や現職国会議員の皆様、駐日外国公館ご関係者、駐日国際機関ご関係者など約100名、広島会場には湯﨑英彦広島県知事、松井一實広島市長などご関係者約100名が出席されました。また、広島の式典後に開催された祝賀会には、為末大ユニタール親善大使や国連ユニタール協会の皆様、ユニタールサポーターの皆様など200名以上が出席されました。
東京の記念式典について
東京会場では、開会の挨拶で、国連事務次長補兼国連ユニタール総代表ニキル・セスが日本政府ならびに国民の皆様、広島県、広島市、ユニタールをご支援いただいている方々などに向けて感謝の意を述べました。
「今日ここで皆様とユニタール60周年をお祝いし、そしてまた、日本におけるユニタール広島事務所の20周年を祝している中で、我々はできることすべてを尽くして、持続可能な開発目標を達成するためにこれからさらに取り組みを進めていくという決意を固くしています。」 ‐ニキル・セス(国連事務次長補兼国連ユニタール総代表)
林芳正外務大臣は、人材育成を世界規模で行っているユニタールの功績を称賛し、ユニタールが専門知識を活かして研修を提供し続ける重要性を強調しました。
「人づくりをミッションとするユニタールはますます重要な役割を担うことになります。ユニタールがこの幅広い開発課題における人づくりを通じまして、SDGs達成に貢献することを期待しています。日本政府は引き続きユニタールとの緊密な連携のもとで持続可能な開発に貢献をしていく考えであります。」 ‐林芳正外務大臣
岸田文雄内閣総理大臣と国連事務総長アントニオ・グテーレス氏より寄せられた、ユニタールと広島事務所へのお祝いのビデオメッセージも上映されました。
多くのご来賓を代表して、ご出席いただいた寺田稔衆議院議員は、ユニタールを広島に誘致することが決まった当時の状況を振り返り、ユニタール広島事務所の過去20年間の功績を祝福しました。
駐日イラク大使 アブドゥル・カリーム・カアブ閣下は、中東におけるユニタール広島事務所の人材育成を通じた貢献について感謝の意を述べました。
デジタル庁 審議官戦略・組織グループ次長平塚 敦之氏は、ユニタールが節目を迎えたこと、および、ユニタールが取り組んでいるデジタル・スキル研修プログラムに対して祝意を表しました。
広島の記念式典について
広島の式典は、ニキル・セスによる広島県民への感謝の言葉を皮切りに、湯﨑英彦広島県知事が広島事務所と20年間の功績に感謝の意を表しました。
「ユニタール広島事務所は、本県の平和の発信における重要なパートナーであり、近年におきましては、核兵器廃絶と持続可能性の取り組みをはじめ、本県と共同で実施している国連幹部職員と若者との対話イベント、国連の会議におけるサイドイベントの共催など、多方面においてご支援、ご協力をいただいておりますこと、この場を借りてあらためてお礼を申し上げます。」 ‐湯﨑英彦広島県知事
松井一實広島市長は、今後もユニタールが広島から世界に平和のメッセージを発信するための研修を継続することの重要性を述べました。
「2015年度から本市とともに実施されている「平和構築に向けた核軍縮・不拡散のためのワークショップ」は、アジア諸国における核軍縮・不拡散の専門家養成に貢献されており、本市にとって非常に意義深い事業となっています。国連ユニタール広島事務所が、様々な研修を通じて、世界の平和と発展のため、さらに成果を上げられることを期待しております。」 ‐松井一實広島市長
ご挨拶いただいた来賓:
- 衆議院議員 空本 誠喜 氏
- 外務省 地球規模課題審議官 赤堀 毅 氏
- ユニタール支援広島県議会議員連盟会長 檜山 俊宏 氏
- 国連ユニタール協会理事長 佐々木 茂喜 氏
最後に、国連ユニタール持続可能な繁栄局長兼広島事務所長の隈元美穂子はご来場いただいた方々に向けて感謝の意を表しました。
「国づくり、地域づくり、社会づくりの中心は「人」。今後も国連ユニタールは日本の皆様、各国の皆様と力を合わせて、世界の人づくりを通じて世界に平和と繁栄をもたらすべく、努力をしていく所存でございます。皆様の今までのご支援に深く御礼を申し上げると共に、今後とも何卒ご支援をよろしくお願い申し上げます。」 -隈元美穂子(国連ユニタール持続可能な繁栄局長兼広島事務所長)
なお、式典後に広島でユニタールの活動をご支援いただいている方々に向けた祝賀会を開催しました。祝賀会には、国連ユニタール持続可能な繁栄局諮問委員長のマイケル・フォース氏が出席し、広島事務所の20年間の活動を称賛するとともに、ユニタールの事業を支えてくださる方々を含む関係者全員が「ユニタールの家族」という意識で、我々が現在直面している最も困難な地球規模の課題を解決するために一致団結して取り組んでいく重要性を強調しました。
「心をひとつにすれば、成功できるでしょう。」 ‐マイケル・フォース氏(国連ユニタール持続可能な繁栄局諮問委員長)
祝賀会の主な行事
- 鏡開き(来賓(画像左から右の順となります))
- 外務省 地球規模課題審議官 赤堀 毅 氏
- ユニタール支援広島県議会議員連盟会長 檜山 俊宏 氏
- 衆議院議員 平口 洋 氏
- 国連ユニタール総代表 ニキル・セス 氏
- 広島県知事 湯﨑 英彦 氏
- ユニタール親善大使 為末 大 氏
- 広島県議会副議長 緒方 直之 氏
- 国連ユニタール協会理事長 佐々木 茂喜 氏
- ユニタール親善大使 為末大氏 再任命式とご挨拶
- ユニタール研修生の挨拶 ブリシュナ・オリヤ 氏
- アフガニスタン研修関連書籍発刊のご案内 ナスリーン・アジミ 氏
- ユニタール持続可能な繁栄局諮問委員長 マイケル・フォース 氏
国連訓練調査研究所(ユニタール)は、1963年の創設より、研修に特化した国連機関として世界各地の人材育成に貢献し、今年60周年を迎えます。時を同じくして、ジュネーブ本部、ニューヨーク事務所に次いでアジア太平洋地域唯一の拠点として2003年7月15日に3番目に誕生した同ユニタール広島事務所も、本年20周年を迎えます。
ユニタール広島事務所20周年記念ビデオ
ユニタールとは
国連訓練調査研究所(ユニタール)は、研修事業に特化した国連機関として、世界レベルの知識や技術の共有を進めています。1963年の設立以来、よりよい未来のために変化を生み出せる人材を世界各地で送り出してきました。2022年には395,987人が受講。ジュネーブ本部のほか、ニューヨーク事務所、広島事務所、ボン事務所があり、世界中に様々なネットワークをもっています。2019年からは持続可能な繁栄局のもと、広島事務所と、ジュネーブ本部の財政・貿易ユニットの職員がともに、起業やリーダーシップ、貿易と金融、デジタル技術、軍縮などについてプログラムを展開しています。紛争後復興の過程にある国の人々への研修などには、原爆投下後から現在の平和都市に至る過程を一つの復興モデルとして講義に組み込むなど、平和で公正な社会の実現にも貢献しています。日本での公的な支援組織として、2019年に一般社団法人「国連ユニタール協会」が設立され、国連ユニタールの広報・啓発活動に協力しています。