2023年5月23日・広島‐国連訓練調査研究所(以下、国連ユニタール)は5月19日に、外務省およびへいわ創造機構ひろしま(HOPe)(以下、HOPe)と、G7広島サミット「パートナーズ・プログラム」に関連して「次世代平和シンポジウム」 を広島市中区にある、おりづるタワー12階のおりづる広場で共同開催しました。

Photo courtesy of the Ministry of Foreign Affairs of Japan

本シンポジウムは、G7サミット開催を機に、次世代を担う若者や学生が主体となり、平和について考え、世界規模の課題に目を向けて行動する機運を醸成することを目的に開催されました。
国連ユニタール持続可能な繁栄局長兼広島事務所長の隈元美穂子は、学生に向けて「今回のイベントが、世界規模の課題について、自分ができることをアクションに変えていくきっかけになることを願っています」と述べました。シンポジウムには、岸田総理大臣の妻、裕子夫人を含む、G7各国首脳・欧州理事会配偶者など6名、ゲスト登壇者5名、広島県内の学生およびUNITAR広島青少年大使プログラム修了生計約100名が出席し、平和について意見交換が行われました。また、登壇者3名は、学生に向けて平和をテーマとしたプレゼンテーションを実施するなど、参加した学生にとって学びの場となりました。

 

Photo courtesy of the Ministry of Foreign Affairs of Japan

G7各国首脳・欧州理事会配偶者から受けた質問については、学生からは、「平和とは互いの幸せを願うこと」「広島だからこそ戦争はいけない、誰も傷つけてはいけないというメッセージを発信していかないといけない」など、さまざまな意見が述べられました。

また、広島県公立大学法人 叡啓大学の学生は、ドイツのエリンスト夫人からの「家族と日常的に平和について話し合うのか」という問いについて、「間違いから一歩踏み出すことが大事と家族と話し合っている。G7で同じステージに立って話し合えるということと、いろんな思いを紡ぎあっていくことで、大事な一歩が踏み出せる」と述べました。

なお、G7広島サミットを契機に平和教育プロジェクト「Lasting Peace for Every Child」を本格的に展開されている歌手のAIさんもサプライズゲストとして登壇し、参加者に向けて平和への思いを述べ、「Lean on me」を披露しました。

シンポジウムに参加された岸田裕子夫人は、G7首脳やイベントに参加している学生も、皆等しく、平和な世界を願うプレーヤーだとした上で、「今日、この場にいる皆さんにはこのシンポジウムでご自身と平和との関わりについて、新しい気づき、そして新しい関わり方を見つけて、平和に向けた歩みを更に進めていただきたい。この広島の若い世代から世界中に平和の祈りの和が広がっていくことを願う。」と述べました。

Photo courtesy of the Ministry of Foreign Affairs of Japan

本イベントに参加したUNITAR広島青少年大使プログラム修了生の中村将吾さんはイベント後に、「世界中の人が平和を大切にしていると感じた。平和という言葉は曖昧だが、そのゴールへの道筋をつけられる人になりたい」と、述べました。また、修了生の奥山愛理さんは、「ただ平和を祈るだけでは何も変わらないので、私たちがまずは行動することが大事だ」と行動の重要性を強調し、平和の大切さや原爆について伝える活動に積極的に取り組んでいく意欲を見せました。

G7各国首脳、欧州委員会配偶者

  • 岸田裕子日本国首相夫人
  • ジル・バイデン米国大統領夫人
  • ブリッタ・エルンストドイツ連邦首相夫人
  • アクシャタ・マーティ英国首相夫人
  • ハイコ・フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長夫君

 

ゲスト登壇者

  • AI様 歌手、UNICEFオフィシャルボランティア
  • 佐々木祐滋 様 NPO法人SADAKO LEGACY副代表
  • 住岡健太 様 NPO法人Peace Culture VillagePCV)専務理事
  • 永井陽右 様 NPO法人アクセプト・インターナショナル代表理事
  • 松田哲也株式会社広島マツダ 代表取締役会長兼CEO

国連ユニタールとは

国連訓練調査研究所(ユニタール)は、研修事業に特化した国連機関として、世界レベルの知識や技術の共有を進めています。1963年の設立以来、よりよい未来のために変化を生み出せる人材を世界各地で送り出してきました。2021年には370,139人が受講。ジュネーブ本部のほか、ニューヨーク事務所、広島事務所、ボン事務所があり、世界中に様々なネットワークをもっています。2019年からは持続可能な繁栄局のもと、広島事務所と、ジュネーブ本部の財政・貿易ユニットの職員がともに、起業やリーダーシップ、貿易と金融、デジタル技術、軍縮などについてプログラムを展開しています。紛争後復興の過程にある国の人々への研修などには、原爆投下後から現在の平和都市に至る過程を一つの復興モデルとして講義に組み込むなど、平和で公正な社会の実現にも貢献しています。日本での公的な支援組織として、2019年に一般社団法人「国連ユニタール協会」が設立され、国連ユニタールの広報・啓発活動に協力しています。

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