- ガーナの起業家Destina Mensahさんは、2024年3月に国連ユニタール「アフリカの女性と若者のためのエッセンシャル・デジタルスキル開発：デジタル経済における雇用機会と生活向上の促進」研修を修了しました。
- ガーナの伝統的な料理に着想を得て、栄養を促進しつつ文化的な遺産を大切にする健康によいシリアルを扱うビジネスを立ち上げました。
- 国連ユニタールの研修では、プロジェクトマネジメント、ピッチング、デジタルリテラシーの重要なスキルが身につき、ビジネスのスケールアップに役立ちました。
- 本研修事業は日本政府の支援を受け、2023年11月から2024年3月まで実施され、アフリカ24か国の7,000人以上の女性と若者に、グローバルな労働市場での就業力と競争力を高めるために必要なデジタルスキルを提供しました。
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2025年2月28日、ジュネーブ - Destina Mensahさんは、ガーナの豊かな料理文化を守りながら、より多くの人々に栄養価の高い食を提供したいと考えています。ガーナで大切にされている伝統的な朝食、トムブラウンから着想を得て、現代生活と伝統文化の双方を取り入れ、健康的な食の選択肢を提供するビジネスを立ち上げました。2023年に参加した国連ユニタールデジタルスキルと起業家精神研修が、彼女のビジョンを明確にし、アイデアを実現する手助けとなりました。
起業の力で伝統を再興する
都市部に移り住んで忙しい現代のライフスタイルを送る若者が増える中、Destinaさんは、彼らが健康的で栄養バランスが良い、伝統的な食文化を失いつつあることを心配していました。市場調査の結果、Destinaさんは人々が伝統的な食事に興味を持っているものの、いくつかの改善を望んでいることがわかりました。
これをきっかけに、Destinaさんは伝統的な食事の味を再定義し、欠けている栄養素を加え、きちんとパッケージングするというアイデアに取り組み始めました。そしてその過程で、若者たちのために雇用を創出したいとも考えていました。
ビジネスアイデアを企画開発し始めた時に、Destinaさんは国連ユニタールの「アフリカの女性と若者のためのエッセンシャル・デジタルスキル開発」研修について知りました。この研修をする際に、目的や目標を書く必要があり、それがまずDestinaさんに自分のビジョンをより明確にする手助けとなりました。
国連ユニタールのアフリカ諸国向けデジタルスキル研修
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日本政府からの資金提供を受け、マイクロソフト東アフリカ社およびIBM社との協力で実施されたこの研修事業は、デジタル主導の世界でアフリカの女性と若者の就業力と競争力を向上させることを目的として行われました。研修は3つのフェーズで実施され、オンライン研修、自己主導型のプロジェクト、オンラインでのブートキャンプを含み、最終的には25人の成績優秀者が対面式のリーダーシップワークショップに参加しました。Destinaさんはマイクロソフト主導のトラック（もう一方はIBMトラック）に参加し、レジリエンスとチームワークのスキルを磨きました。Destinaさんは、このワークショップについて、国連ユニタールと日本政府が研修生のニーズに配慮し、彼らの成長と知識の向上を支援していると感じました。
この研修プログラムは、私たちにとって必要なものでした。 —Destina Mensah、国連ユニタール研修修了生（ガーナ）
Destinaさんは、このワークショップで、スタートアップの将来性を評価し、投資家にアイデアをピッチする方法を学びました。彼女は1分間のピッチを練習し、フィードバックをもとに、改善しました。この練習は、彼女が自社製品を市場に導入するために展示会に頻繁に参加する際にそのまま役立つものでした。「展示ブースに来た人々の注意を引き、何をしているかを伝えるためには、ほんの数秒しかありません」と彼女は言います。今では、彼女はその短い時間を活かして伝えることができるようになりました。
また、Destinaさんが学んだデジタルスキルは、ビジネス経営にも大きな変革をもたらしました。彼女は今、AIを使って顧客のトレンドを予測し、効果的に計画を立て、市場の需要に対応し、顧客満足度を向上させています。
コミュニティ開発への取り組み
国連ユニタールの研修プログラムで励みとなったのは、他の若い女性起業家たちと出会いと、共同して取り組む機会を得られたことです。Destinaさんの起業家精神の核心にはコミュニティ開発への尽力があり、他の起業家たちとのつながりを通じて、自身のコミュニティや国への貢献方法を新たに発見しました。彼女のチームは、特別なイベントの場で無料の朝食セットを提供することを計画しており、これにより地元のコミュニティに自身の商品を紹介しながら、健康的な食習慣の促進を目指しています。
この研修は、私たちがコミュニティに還元するために必要不可欠です。—Destina Mensah、国連ユニタール研修修了生（ガーナ）
彼女はまた、若いガーナ人起業家たちのネットワークを築き、連携し、学び合い、互いにインスピレーションを与え合う場を作りたいと考えています。
また、国連ユニタールの研修で得たつながりは、Destinaさんが国際市場に進出するという目標を実現する手助けにもなるかもしれません。現在、彼女の商品は地元のお店で販売されていますが、今後は他国への展開も視野に入れ、国連ユニタールで培ったネットワークを活用して、商品を流通させることも検討しています。
起業を目指す人へのメッセージ：「学び続け、スキルを高めていくこと」
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特に女性で起業を目指す方々へのメッセージとして、Destinaさんは学び続け、スキルを高めていくことの大切さを伝えています。「教育を受けていない人がビジネスを始めるのと、少しでも教育を受けた人がビジネスを始めるのでは、大きな違いがあります」と彼女は言います。教育と知識は、起業家が効果的に事業を運営し、さらなる知識を追求するのに役立ちます。
また、Destinaさんは、今日のビジネス環境で欠かせないテクノロジーを活用する重要性についても強調しています。「もしパソコンやワープロ、スプレッドシートアプリが使えないのであれば、どうやって記録を付けるのでしょう」と彼女は問いかけます。「あなたが必要とする投資家を引き寄せることもできません。」
最後に、Destinaさんは若い起業家たちに、自分がなぜビジネスをしているのか、その原動力を書き留めておくことを勧めています。
ビジネスを始めたら、その目的やビジョン、なぜビジネスをしているのかを書き留めることです。チャンスが来た時、その理由があなたをより積極的に突き動かしてくれるでしょう。そして、すべてがうまくいかないように感じる時、その原動力があなたを前に進ませてくれるでしょう。—Destina Mensah、国連ユニタール研修修了生（ガーナ）
Destinaさんにとっての原動力は、人々に良い栄養を届け、そこから喜びを感じてもらうことです。
この記事は、UNボランティアのThalia Loucaさんが寄稿しました。
国連ユニタールについて
国連訓練調査研究所（ユニタール）は、研修事業に特化した国連機関です。2023年には、世界中で54万人以上が受講し、より良い未来の実現のために世界各国の人材育成を支えています。ジュネーブ本部のほか、広島、ニューヨーク、ボンに事務所を構え、世界中にネットワークを持っています。詳しくはウェブサイトから（国連訓練調査研究所（ユニタール） 広島事務所 ）。