• 崎山実樹さんは、日本出身の平和構築の専門家で、ジェンダー平等を専門としています。現在は国連人口基金(UNFPA)にて、女性および若者のエンパワーメント専門官として勤務しています。
  • 外務省委託(2024年度)平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業「プライマリー・コース」に参加しました。
  • この研修を通して、国連システムへの知見を深め、ともにコースに参加した仲間から開発課題に関する多様な気付きを得ました。研修での学びを現在の職務に活かしています。
  • 本プログラムは、広島大学が国連ボランティア計画(UNV)および国連訓練調査研究所(ユニタール)と連携して実施しています。
Hiroshima University and UNITAR

2026529日、広島-崎山実樹さんは、ジェンダー平等および女性のエンパワーメント分野でキャリアを築いてきました。現在は国連人口基金(UNFPA)で、女性の権利推進、若者の社会参画、そして包摂的な開発を前進させるプログラムに携わっています。

平和と国際問題への関心

長崎原爆の日に生まれた実樹さんは、幼少期から平和や紛争、人間の安全保障について考える機会が多くありました。

貧困や困難に直面し、苦しんでいる人々のために働きたいと強く思っていました。‐ 崎山実樹、プライマリー・コース修了生

大学では政治学を専攻し、とりわけ国際政治学に重点を置いて学びました。このような学術的な背景と様々な経験により、平和や開発、国際協力に貢献していきたいと決意したのです。

不平等への問いからフィールドの実践へ

大学を卒業後、民間企業で実務経験を積む中で、職場環境におけるジェンダー不平等について問題意識を持つようになりました。

この思いは、スーダンでのボランティアの経験を通じてさらに深まりました。現地のコミュニティで生活し、活動する中で、文化的に形成されたジェンダー規範が女性の日常生活にいかに影響を及ぼしているのかを目の当たりにしました。社会的に定義された役割が性別による不平等のもととなり、女性の行動や社会参加の機会に影響を与えていることを実感したのです。

この経験を通じて、不平等な立場にある女性の社会的地位を向上させ、機会を広げることに貢献したいと思うようになり、ジェンダー分野で働くきっかけとなりました。

その後、外務省でジェンダーに関するプロジェクト管理に携わったこともあり、実樹さんはより現場に根ざした経験を積みたいと強く思うようになりました。開発や平和構築について実践的に学べるプログラムに魅力を感じ、「プライマリー・コース」への応募を決めました。この事業は、外務省の委託を受け、広島大学が国連ボランティア計画(UNV)および国連訓練調査研究所(ユニタール)と連携して実施しています。

研修中は、参加者間のやりとりに触発されました。さまざまな国、職務経験、社会的背景を持つ研修員が集まり、多様な見解が共有されました。それまで日本の文脈で物事を考える機会が多かった実樹さんにとって、異なる組織や国の視点を持った参加者との対話は、平和構築や開発についての視野を大きく広げてくれました。

また、実践的な研修で培ったスキルは、現在の職務においても大きな支えとなっていると言います。たとえば、このコースでは、密接かつ双方向的なコミュニケーションなど、国連システムにおける職場の慣行にふれる機会がありました。また、このコースを通じて、国事務所という環境下でどのようにコミュニケーションを取り、振る舞うべきかについて考える機会を得ました。こうした気づきは、UNFPAでの職務を遂行する上で非常に役に立っていると述べています。

実際の職場では、国連のコンピテンシーに準じた柔軟性や適応力が求められます。この研修で、現場での職務について指針となるものを得ることができました。

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ジェンダー平等への取り組みを続けて

Miki Sakiyama

広島・東京での研修を終え、実樹さんはUNFPAにて、Women and Youth Empowerment Specialistとして、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントを推進するプロジェクトに従事しています。このプロジェクトによって女性の生活や職場の環境が少しずつ良い方向に変わっていくのを見て、大きなやりがいを感じています。

今後も開発協力に継続的にかかわり、ジェンダー平等の推進や、女性の社会的地位向上に貢献していきたいと考えています。そして、すべての女性と女児がその可能性を最大限に発揮し、社会のあらゆる側面に平等に参画できる社会の実現に向けて、歩み続けていく決意です。

外務省「平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業」について

麻生太郎外務大臣(当時)の政策演説「平和構築者の『寺子屋』を作ります」を受け、2007年から外務省が平和構築分野の人材育成事業を実施してきました。2015年度からは、国際機関での人材の発掘・育成・キャリア構築を包括的に実施するため事業内容を刷新・拡大し、「平和構築・開発におけるグローバル人材育成事業」を開始。2024年度から、広島大学が外務省より委託を受け、UNV及び国連ユニタールとの協力のもと、事業の実施・運営を行っています。

広島大学について

広島大学は、人類史上初めて原子爆弾が投下された被爆地広島に1949年に創設された国立の総合研究大学です。広島大学は、国立大学としての使命を果たすため、活動の基本原則として広島大学憲章を次の通り定めています。それは、平和を希求する精神、新たなる知の創造、豊かな人間性を培う教育、地域社会・国際社会との共存、絶えざる自己変革という理念五原則の下、自由で平和な社会を実現し、人類の幸福に貢献することです。また、一人ひとりの人権と人格を尊重し、教育や研究を通じて、地域社会及び国際社会に貢献するとともに、平和で持続的な発展を可能とする社会の実現に向けて、

貧困や紛争、人権の抑圧、感染症、環境や資源・エネルギー問題など地球規模の課題に対する先端的な解決策を世界に先駆けて実践しています。

国連ユニタールについて

国連訓練調査研究所(ユニタール)は、1965年に設立された研修事業に特化した国連の専門機関です。質の高い研修と研究、革新的な学習ソリューションを通じて、人々の知識とスキルの向上を図ることを使命としています。 

国連ユニタールは、戦略的パートナーシップとグローバルな学習プラットフォームを通じて、個人の能力開発と、特に脆弱な状況下にある機関・組織の能力強化に取り組み、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」および「未来のための協定(Pact for the Future)」の実現を推進しています。 

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