• 学生のSeungjae Leeさんは、香港で難民を支援するために、個別指導プログラムに取り組んでいます。
  • Seungjaeさんは、2024年の国連ユニタール青少年大使・アジア太平洋プログラムに参加しました。
  • 国連ユニタール青少年大使プログラムを通じて、Seungjaeさんはコミュニティプロジェクトの構築と、高次のレベルでの展開に向け、国際規模で展開する方法を学びました。
  • 彼のプロジェクトでは、持続可能な開発目標(SDG4「質の高い教育」に沿って、香港で難民が言語の壁を越えて学べる堅実なプログラムを確立することを目指しています。
Seungjae (Andy) Lee

2025227日、広島 – Seungjae Leeさんは、香港のインターナショナルスクールに通う韓国出身の学生で、社会問題に情熱を持ち、リーダーシップや奉仕活動に積極的に関わっています。1年前、彼は香港で言語の壁に直面している難民を支援するプロジェクトを立ち上げました。

Seungjaeさんは、2024年にITS Education Asiaと共同で実施された国連ユニタール青少年大使・アジア太平洋プログラムを修了した26人の若いチェンジメーカーの1人です。

言語の壁を越えて

Seungjaeさんは、香港在住の難民は多くないものの、彼らが直面している大きな問題は言語の壁だと語ります。香港では英語が少し通じるものの、主に広東語や標準中国語が使われており、それを学ぶのは難しいと感じています。この状況を受けて、Seungjaeさんは難民の言語を話すことのできるボランティアを集めて、個別指導を行うアイデアを思いつきました。

言語は現代の生活において非常に重要な要素です。多様な言語が存在する中で、他の人々と意志疎通できることがとても大切です。難民にとっては、[...] 同じレベルでコミュニケーションを築き、この言語の壁を取り除くことが非常に重要です。”— Seungjae Lee2024年度国連ユニタール青少年大使・アジア太平洋プログラム修了生

Seungjaeさんが難民に関心を持ったきっかけは、学校の授業でした。難民が歩んできた道のりを思うと深く感銘を受けました。それと同時にコントロールできない事柄によって苦しむことがどれほど屈辱的であるかを実感し、香港の難民を支援するために何かをしたいと感じました。

彼はまず自分の学校でプロジェクトを始め、仲間たちとアイデアを共有し、香港社会で難民についての認識を高める活動を行いました。毎週、彼の個別指導ボランティアコミュニティは難民センターに出向き、難民の子どもたちに音楽やパフォーミングアーツ、作文、英語、数学、科学などの教科を教えています。多様な生徒が集まるインターナショナルスクールに通うSeungjaeさんは、難民が話す言語を話せるクラスメートにも参加してもらいました。これにより、難民がより効果的に学べると考えたからです。

基本的スキルと将来に向けた戦略

UNITAR

2024年、Seungjaeさんは、前年度にプログラムを修了した友人を通じて「国連ユニタール青少年大使・アジア太平洋プログラム」を知りました。友人は、国連ユニタールの研修がコミュニティでのプロジェクトを開発するのにどれほど役立ったかを語ってくれました。

2021年に開始された国連ユニタール青少年大使・アジア太平洋プログラムは、アジア太平洋地域の若者がグローバルな課題に対するローカルな解決策の創出を支援することを目的としています。そして、国際問題に取り組むための能力を育成し、持続可能な開発目標(SDGs)に関する知識を深めることを目指しています。

Seungjaeさんは、国連ユニタールのプログラムを通して効果的なタイムラインの作成、強固な計画とバックアッププランの立案やプロジェクトを国際レベルに拡大する方法を学びました。彼は、プログラムの素晴らしいメンターたちがプロジェクトの構築方法やスムーズに運営するためのコツを教えてくれたことに感銘を受けました。特に、メンターからの建設的な指摘が、自身のプロジェクトにおいて今まで思いつかなかった新たな側面を示してくれたことに驚きました。

このプログラムは、目標を達成するために必要な基本的なステップと、まずは小さな目標の達成のために必要なことについて、そして、それらが最終的に自分が目指していた大きな目標にどのように繋がるのかを実感させてくれました。"— Seungjae Lee2024年度国連ユニタール青少年大使・アジア太平洋プログラム修了生

Seungjaeさんが得た最も大きな教訓の一つは、自分自身を安定的に保つことの重要性です。今ではプロジェクトを進行させることがより簡単で明確に感じられています。また、情熱とモチベーションに満ちた他の学生たちとのつながりも楽しみの一つでした。

未来に向けて:政府へのアドボカシー

Seungjaeさんの次の挑戦は、プロジェクトの方向性を定めることです。彼の目標の一つは、香港政府に対して、より多くの支援を難民に提供するように働きかけることです。しかし、これには、彼のプロジェクトに参加している学生やコミュニティのメンバーの枠を超えて、学生全体の意識向上と協力的なアドボカシーが必要です。それは、これまでで最大の挑戦となるかもしれません。

また、彼はこのプロジェクトをよりプロフェッショナルで国際的なレベルに拡大し、難民支援を同様の課題を抱える国々に広め、難民の生活条件の改善に向けて取り組みを進めていくことを計画しています。

私の目的の大きな部分は、他の人たちが自分自身の提唱するものを見つけ、声を上げることを手助けすることです。苦しみの中で、自分の声が全てとなることもあると気づきました。自分を主張できることは本当に大切です。だから私は、難民に言語の個別指導をするのがとても好きなのです。"— Seungjae Lee2024年度国連ユニタール青少年大使・アジア太平洋プログラム修了生

彼は学校で資金調達を始めましたが、現在は難民センター「レフュジー・ユニオン」で数時間部屋を借りるのに十分な資金を集めるシステムを整えています。また、ボランティアの指導者の数を増やすことにも取り組んでいます。

若者へのメッセージ

Seungjaeさんは、国連ユニタールのプログラムに参加した仲間たちの情熱的なプロジェクトがうまく進み、彼らが学んだことを実践して目標を達成していることを願っています。またSeungjaeさんは、国連ユニタールのプログラムについて現実的な目標とは何か、またプロジェクトを達成するために何をすべきかに気づかされるものであると同時に、どのようにして野心的で最高の成果を目指し続けるかを支援するものであると語っています。

この記事はUNオンラインボランティアのIgo Ilham Mahendraさんの貢献により作成されました。

英文は以下からご覧いただけます。

Helping Refugees in Hong Kong Break the Language Barrier: Seungjae Lee

国連ユニタールについて

国連訓練調査研究所(ユニタール)は、研修事業に特化した国連機関です。2023年には、世界中で54万人以上が受講し、より良い未来の実現のために世界各国の人材育成を支えています。ジュネーブ本部のほか、広島、ニューヨーク、ボンに事務所を構え、世界中にネットワークを持っています。詳しくはウェブサイトから(国連訓練調査研究所(ユニタール) 広島事務所 )。

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