2024年12月16日、米国ニューヨーク ー アントニオ・グテーレス国際連合事務総長は本日、国連訓練調査研究所(ユニタール)の新総代表に、ジャマイカ出身のミシェル・ジャイルズ=マクドノー(Michelle Gyles-McDonnough)氏を任命したことを発表しました。インド出身のニキル・セス氏の後任として、ジャイルズ=マクドノー氏は2025年2月1日に正式に就任します。国連事務総長は、セス氏の国連への献身とコミットメントに対し、深い謝意を表明しました。
ジャイルズ=マクドノー氏は、持続可能な開発、政策提言、国際貿易、国際関係、そして組織でのチェンジマネジメントにおいて30年以上の経験を有し、国連システム内外の豊富なリーダーシップの経歴を持ちます。ジャイルズ=マクドノー氏の専門分野は、主に持続可能な開発目標(SDGs)の推進に不可欠な経済、社会、環境に渡ります。複雑な国際機関において、変革的な取り組みやイノベーションの推進、組織能力の強化、そして世界中の政府や主要なステークホルダーとのパートナーシップ構築を牽引してきました。
ジャイルズ=マクドノー氏は、2017年から現在まで国連事務総長室の持続可能な開発部門のディレクターを務めています。彼女のこれまでの国連内での主要な主導的役割は以下の通りです。
- 国連開発計画(UNDP)カリブ海地域政策アドバイザリー・ファシリティ長(1999年~2004年)
- グレナダ復旧プログラム調整官(2004年~2005年)
- UNDPカリブ海地域アドバイザー(2005年)
- UNDP総裁室・管理部門支援グループプログラムアドバイザー(2006年~2008年)
- バルバドスおよび東カリブ諸国機構(OECS)の国連常駐調整官兼UNDP常駐代表(2008年~2013年)
- マレーシア、シンガポール、ブルネイ・ダルサラームの国連常駐調整官兼UNDP常駐代表(2013年~2016年)
国連での勤務以前は、国際貿易弁護士として活動。ワシントンD.C.のジャマイカ大使館の法律顧問、米州機構(OAS)事務総長の国際貿易顧問、ハーバード大学ジョン・F・ケネディ行政大学院の教員助手を務めていました。コロンビア大学ロースクールで法学位を取得、ハーバード大学ジョン・F・ケネディ行政大学院で行政学の修士号を取得、ペンシルベニア大学ウォートン・スクールでエグゼクティブ教育のディプロマを取得、また、ペンシルベニア州のブリンマー・カレッジで経済学専攻、フランス語を副専攻し、学士号を取得しました。英語に堪能であり、フランス語とスペイン語の実務知識も保持しています。
国連ユニタールは、ジャイルズ=マクドノー氏の就任を温かく歓迎するとともに、持続可能な未来に向けた能力構築というミッションのさらなる促進に向けて、彼女のリーダーシップに期待しています。
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国連ユニタールについて
国連訓練調査研究所(ユニタール)は、1963年の設立以来、研修事業に特化した国連機関として、世界各国の人材開発を支えています。2023年には、54万人以上が受講。ジュネーブ本部のほか、ニューヨーク事務所、広島事務所、ボン事務所があり、様々なネットワークをもっています。2019年からは持続可能な繁栄局(Division for Prosperity)のもと、広島事務所と、ジュネーブ本部の財政・貿易ユニットの職員がともに、起業やリーダーシップ、貿易と金融、デジタル技術、軍縮などについてプログラムを展開しています。紛争後復興の過程にある国の人々への研修などには、原爆投下後から現在の平和都市に至る過程を一つの復興モデルとして講義に組み込むなど、平和で公正な社会の実現にも貢献しています。