2023年2月27日・広島 – 広島から次代のリーダーを世界に送り出そうと2010年から実施されている国連ユニタール広島青少年大使プログラムの今年度の研修が、20227月から8月にかけて行われ、3年ぶりに対面でもワークショップを実施することがかないました。100年後も住み続けられる街」を手掛かりに、SDGsを自らに引き付けて考え、取り組む研修を盛り込み、中学3年生から高校3年生まで計48人が、世界的な課題を解決する視点を学びました。

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100年後も住み続けられる街」を手掛かりに、SDGsを自らに引き付けて考え、取り組む研修を盛り込み、中学3年生から高校3年生まで計48人が、世界的な課題を解決する視点を学びました。

学び合いから刺激を受けて

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大使の1人である安芸府中高校2年生の宮本洸亜(みやもと・こうあ)さんは、オールジェンダートイレの導入や若者の選挙への参加の重要性について考えました。もともと目標6「安全な水とトイレを世界中に」や開発途上国の水問題に関心があったという宮本さん。モバイルでの事前学習を英語と日本語で受けて知識を深め、グループワークでは互いに興味のあるSDGsの目標を紹介するなどして日本以外の若者の問題意識にも触れるうちに、目標15「陸の豊かさも守ろう」にも関心が広がりました。

「尊い地球を自分たちで壊してしまっている。(壊せるのなら)自分たちで守ることもできる」と、自らできることを探すようになり、その意識の変化にも驚いたそうです。

街歩きでの気づき

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過去2回の研修はコロナ禍でオンラインでの研修のみとなりましたが、2022年のプログラムはオンラインでの研修と対面のワークショップを組み合わせたハイブリッド型のプログラムでした。731日のワークショップでは、広島市内をグループごとに歩き、身近な街の問題点を見つけ出すことから始めました。その問題点と関連するSDGsに焦点を当て、誰一人取り残さない理想の街を実現するための持続可能な取り組みを考案し、発表。お年寄りや障がいのある人が住みやすいか、ゴミが分別・回収される仕組みが確立されているか、自然と共生し環境に配慮できているかなど、様々な観点から自分たちの街を改善するヒントを得ました。

関心を高めるために

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話し合いで自分にはない着眼点に気づき、見えていなかった街の問題点から解決策の提案に至ったのは大きな収穫だった、と振り返るのは、盈進中学3年生の原田栞里(はらだ・しおり)さん。核兵器廃絶のための署名活動や被災者支援などを行う部活動に所属し、普段から人権や地域貢献の活動を意識しているといいます。

プログラム期間に開催された、アントニオ・グテーレス国連事務総長と若者との対話を他の青少年大使とともに傍聴もしました。自らのコミュニティを超え、国レベルでの議論や、国境を越えた世界規模の課題に目を向け、積極的に発言している同世代の若者に感銘を受けました。問題を自分のこととしてとらえ、まずは関心をもつことが重要だ、という平和のために活動する若者の意見に共感しました。

本プログラムは、広島県のご支援により、国連ユニタール持続可能な繁栄局・広島事務所と国連ユニタール協会が実施。良品計画広島事業部の高弘紋子部長から持続可能な取組をお聞きするなど様々な専門家によるセッションも交え、SDGsの実践例やSDGs達成に必要なことを行政、民間、国際機関など複合的な観点で考えるプログラムとなりました。国連ユニタール広島青少年大使たちが、社会を変革していくための一歩を踏み出す瞬間に立ち会えたことをうれしく思います。

国や世界をより良い場所にしていくには、まずは自分たちが住んでいる広島を変えていく必要がある。若者にしかできないことを全うしたい。 ―宮本洸亜

将来は、植物や自然にかかわる仕事に就き、人々が笑顔で過ごせる社会をつくりたい。また、人類の発展も大切だけれど、人間と動物・植物がうまく共存できる社会の実現に貢献したい。―原田栞里

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