• 2024年9月10日、国連訓練調査研究所(ユニタール)は、「自由で開かれたインド太平洋のリーダー育成研修:海洋と人間の安全保障」(FOIP)研修事業の第2フェーズをインドネシア・ジャカルタで開始しました。
  • ジャカルタでの10日間のワークショップは、アジア12か国から集まった約80名の参加者を迎え、開幕しました。開会式には、インドネシア政府高官も出席しました。 
  • この第2フェーズの研修では、アジアの官民両セクターから参加するリーダーや政府関係者に対し、対面型ワークショップを通じて、インド太平洋地域の平和と安全、繁栄を促進するためのスキルと戦略を提供することを目的としています。
UNITAR

2024年9月10日、広島 - 2024910日、国連訓練調査研究所(ユニタール)は、日本政府の支援を受けて実施している「自由で開かれたインド太平洋のリーダー育成研修:海洋と人間の安全保障」(FOIP)研修事業の第2フェーズをインドネシア・ジャカルタで開始しました。この研修は、アジアの官民両セクターから参加するリーダーや政府関係者に対し、インド太平洋地域の平和と安全、繁栄を促進するためのスキルと戦略を提供することを目的としています。 

ジャカルタでの10日間のワークショップは、アジア12か国から集まった参加者約80名を迎え、開幕しました。開会式には、インドネシア政府高官も出席しました。 

国連ユニタール広島事務所の三上知佐所長はジャカルタのワークショップの開会式で歓迎の挨拶を述べました。三上所長は、この対面での研修が参加者にとって、「ただ学ぶだけではなく、自身の経験や洞察を共有し、ネットワークを築き、自国や地域で実施できる解決策に力を合わせて取り組むための貴重な機会」であることを強調しました。 

ジャカルタワークショップ

この対面型ワークショップでは、アジア各地から集まったリーダーたちが、タンゲランとジャカルタでのスタディツアーや、専門家らによるセミナーを通じて、海洋と人間の安全保障に関連する貴重な知見を深めることが期待されています。参加者らはまた、地域のレジリエンス強化とコミュニティの発展に焦点を当てたプロジェクト提案を作成し、専門家からのメンタリングのサポートを受けながら、リーダーシップスキルやチームワークスキルを強化します。加えて同ワークショップは、参加型のグループワークやネットワーキングの機会を提供し、参加者同士の交流から、知識の交換や地域協力を促進するための国際的なつながりの場を醸成します。 

ジャカルタでのワークショップには以下の活動が含まれています。 

  • 910: 開会式、海洋と人間の安全保障に関する専門家のセミナー 
  • 911: 環境安全保障、ジェンダーと包摂性に関する専門家のセミナー 
  • 912: タンゲランでのスタディツアー:沿岸域・自然資源管理関連施設の視察(ケタパン都市養殖場のガイドツアー、マングローブ保護区のガイドツアー、参加型ワークショップ) 
  • 913: 海洋安全保障と食料安全保障に関する専門家のセミナー 
  • 914: ジャカルタでのスタディツアー:インドネシア国営港湾運営会社(PT Pelindo Indonesia)視察(PT Pelindo Indonesiaによる導入セッション、施設のガイドツアー) 
  • 916: 気候安全保障、災害リスク削減、人権と公平性、若者のエンパワーメントに関する専門家のセミナー 
  • 917: ブルーエコノミー、ブルーファイナンス、資金調達に関する専門家のセミナー 
  • 918: リーダーシップ開発に関する専門家のセミナー 
  • 919: 修了式 

同FOIP研修事業について

「自由で開かれたインド太平洋のリーダー育成研修:海洋と人間の安全保障」(FOIP)研修事業は、日本政府の支援を受け、20246月から20252月の期間で国連ユニタールが実施しています。この事業の主な目的は、参加者に気候、社会、経済、食料、海洋に関わる安全保障の強化のために必要なスキルや知識を提供し、インド太平洋地域全体での連携メカニズムの構築を支援することです。FOIP研修事業は、日本が支援する「しまなみコレクティブ」プログラムの一環として実施されており、このプログラムでは、特に若者や女性のエンパワーメントに焦点を当て、災害に対するレジリエンスと海洋と人間の安全保障を強化することを目的とした複数の研修事業を実施しています。 

FOIP研修事業の第1フェーズでは、20248月末に、400人を超える参加者が2か月のオンライン研修を修了しました。第2フェーズは、2か所に分けてのワークショップを開催します―20249月にインドネシアのジャカルタでアジア地域の参加者向けに、202410月にフィジーのナンディで太平洋地域の参加者向けに実施します。このフェーズでは、合計160人のリーダーに対して実践的な学びの機会が提供されます。2025年初頭には、研修の第3フェーズとして、日本での対面型ワークショップが予定されています。 

国連ユニタールについて

国連訓練調査研究所(ユニタール)は、1963年の設立以来、研修事業に特化した国連機関として、世界各国の人材開発を支えています。2023年には、400,000以上の人が受講。ジュネーブ本部のほか、ニューヨーク事務所、広島事務所、ボン事務所があり、様々なネットワークをもっています。2019年からは持続可能な繁栄局(Division for Prosperity)のもと、広島事務所と、ジュネーブ本部の財政・貿易ユニットの職員がともに、起業やリーダーシップ、貿易と金融、デジタル技術、軍縮などについてプログラムを展開しています。紛争後復興の過程にある国の人々への研修などには、原爆投下後から現在の平和都市に至る過程を一つの復興モデルとして講義に組み込むなど、平和で公正な社会の実現にも貢献しています。 

日本での公的な支援組織として、2019年に一般社団法人「国連ユニタール協会」が設立され、国連ユニタールの広報・啓発活動に協力しています。同法人では、「スポーツと平和」、「SDGsと教育」、「女性のエンパワーメント」を柱とする事業も展開しています。 

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