- 2026年7月7日、「持続可能なグリーン経済の達成に向けた日本・ASEAN協力プログラム」が開始され、アセアン加盟国11か国から1,114名が参加しました。
- 本プログラムは、持続可能なグリーン経済およびファイナンスのプロジェクトにおける日本とアセアン諸国の連携強化を目的としています。
- 第1フェーズは2026年7月から9月までオンラインで実施され、自己学習型のオンライン教材と専門家によるウェビナーを通じて、グリーン経済と持続可能なファイナンスの基礎概念を学びます。
- 選抜された200名は第2フェーズに進み、専門テーマ別の研修を受講します。さらに、成績上位者50名は、2027年2月に東京で開催される「日本・アセアングリーン投資サミット」に招待されます。
- 本プログラムは、日本政府および日本の皆様の多大な支援により実施されます。
2026年7月9日、広島-2026年7月7日、国連ユニタールは、アセアン加盟国11か国から1,114名の参加者を迎え、「持続可能なグリーン経済の達成に向けた日本・アセアン協力プログラム」を開始しました。
本プログラムは、持続可能なファイナンスにおける日本とアセアンの協力関係のさらなる強化を図り、投融資を呼び込むグリーン経済プロジェクトの設計、資金調達、実施を推進するため、地域全体の能力強化を図ることを目的としています。日本政府および日本の皆様からの多大な支援により、2027年2月まで、段階的に選抜を行う3つのフェーズで実施されます。
第1フェーズは、参加者にプログラムの構成、学習の流れ、研修期間中に使用するツールについて説明するウェビナーで始まりました。国連ユニタール広島事務所の三上知佐所長は、SDGs等の目標を達成するためのアセアン諸国におけるグリーン経済への移行を加速させる緊急性を強調しました。また、地域の長期的なレジリエンスと持続的な成長につながる取組に向けて、政府および民間企業のリーダーが果たす役割の重要性を指摘しました。
本研修プログラムは、極めて重要な時期に実施されるものです。グリーン経済への移行は、アセアン諸国にとって喫緊の課題であると同時に、戦略的な機会でもあります。― 国連ユニタール広島事務所、三上知佐所長
本プログラムは、政府関係者および民間企業のリーダーに対し、グリーン経済への移行を推進するために必要な知識、ネットワーク、実践的なツールを提供します。これにより、地域全体でレジリエントかつ包摂的なグリーン経済の実現に向けた共通の決意を示すものです。
また、国連の「グリーン経済に関する行動のためのパートナーシップ(Partnership for Action on Green Economy:PAGE)」において、ユニタールが担ってきた役割を土台としています。UN PAGEは、リオデジャネイロで開催された国連持続可能な開発会議(リオ+20)での呼びかけを受け、2013年に発足しました。UNEP、UNDP、ILO、UNIDO、UNITARの5つの国連機関が参加し、それぞれの専門性を結集して、政策提言、評価、能力開発、分析ツールを通じ、パートナー国の包摂的なグリーン経済(Inclusive Green Economy:IGE)への移行を支援しています。過去10年にわたり、UN PAGEはグリーン経済に関する世界水準の学習教材を開発してきました。本プログラムを通じて、そうした知見をアセアン各国の参加者と共有します。
こうした確立された専門性に加え、本プログラムでは、専門家から多角的に学べるアプローチとして「多面的メンタリングモデル」を導入しています。従来の一対一のメンタリングにとどまらず、本モデルでは、参加者が各テーマ分野の専門家や日本の民間企業の実務者から助言を受けながら学びを深める機会を提供します。これにより、政策、学術、ビジネスの各視点を取り入れた学びを実現するとともに、国連ユニタールが長年培ってきた社会人教育に関する専門性を活かし、実践的な研修を提供します。
3つのフェーズによる学びのプロセス:基礎の構築、専門性の深化、インパクトの創出
第1フェーズ:オンライン学習(2026年7月~9月)
今後11週間にわたり、参加者はUN CC:e-Learnというeラーニングシステムを通じて、6つの自己学習型オンラインモジュールに取り組みます。これらのモジュールは、UN PAGEのもとで開発された世界水準の学習教材を基盤として、持続可能なファイナンスの基礎、持続可能な金融タクソノミー、気候ファイナンス、グリーン財政政策、エネルギー移行、気候および気候関連財務情報開示の枠組を扱います。
オンラインモジュールを補完する専門家主導のウェビナーも全6回にわたり開催されます。ウェビナーは、本プログラムの4つの分野に沿って提供されます。
- 持続可能な投融資とグリーン・フィンテック
- エネルギー移行
- 炭素市場と排出量取引
- グリーン財政政策
第1フェーズの終了時に、参加者は初期段階のグリーン経済プロジェクト提案書を提出します。これらの提案書を評価し、成績上位の200名が第2フェーズに進む参加者として選抜されます。
第2フェーズ:テーマ別専門研修とメンタリング(2026年10月~12月)
200名の参加者が第2フェーズに進み、各50名からなる4つのテーマ別グループに分かれます。このフェーズでは、複数の専門家や実務者が参加者をサポートする「多面的メンタリングモデル」と呼ばれる新たな手法が導入されます。各グループは、それぞれのテーマ分野の専門家から継続的なメンタリングを受けるとともに、日本の民間企業等で活躍する実務者から実践的な知見を学びます。
このフェーズを通じて、参加者は自身のプロジェクト提案を見直し、最終提案書としてまとめます。最終提案書の内容をもとに、第3フェーズに進む参加者が選抜されます。
第3フェーズ:日・アセアングリーン投資サミット(2027年2月)
第2フェーズの成績上位者50名、各テーマ別グループからおよそ12~13名が、2027年2月に東京で3日間開催される「日本・アセアングリーン投資サミット」に招待されます。参加者は、専門家で構成される審査員に向けて、プロジェクト提案を発表します。さらに、特に優れた提案を行った参加者には、日本の投資家や民間企業の代表者に対して直接プレゼンテーションを行う機会が与えられます。
サミットの締めくくりとして、参加者は日本企業を訪問し、グリーン経済におけるイノベーションの現場を直接学びます。
プログラム概要紹介資料 持続可能なグリーン経済の達成に向けた日・アセアン協力プログラム
国連ユニタールについて
国連訓練調査研究所(UNITAR:国連ユニタール)は、1965年に設立された研修事業に特化した国連の専門機関です。質の高い研修、研究、革新的な学習ソリューションを通じて、人々の知識とスキルの向上を図ることを使命としています。
国連ユニタールは、戦略的パートナーシップとグローバルな学習プラットフォームを通じて、個人の能力開発と、特に脆弱な状況下にある機関・組織の能力強化を支援し、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」および「未来のための協定(Pact for the Future)」の実現に向けた取組を推進しています。
詳しくは国連訓練調査研究所(ユニタール)広島事務所をご覧ください。