• 2023年8月6日、ユニタールは広島県公立大学法人叡啓大学において「アイデアコンペ 平和×〇〇-核軍縮と持続可能な未来」を開催しました。
  • 広島、長崎、東京から集まった若者39名が、核軍縮・不拡散と持続可能な未来についてプレゼンテーションを行い、上位に選ばれたグループがそれぞれのアイデアを専門家のパネリストを前に発表し、意見を仰ぎました。
  • パネリストらは、参加者全員が実りある議論と発表を行い、核なき社会と 持続可能な未来の実現に向けた第一歩を踏み出したことに称賛を送り、持続可能な理想の未来を実現するために、若者が行動し、メッセージを発信し続けることの重要性を強調しました。
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2023年8月10日・広島 - 国連訓練調査研究所(ユニタール)は8月6日、広島県、へいわ創造機構ひろしま(HOPe)、国連軍縮部(UNODA)との共催で、広島県公立大学法人叡啓大学において、若者を対象としたのピッチイベント「アイデアコンペ 平和×〇〇-核軍縮と持続可能な未来」を開催しました。広島、長崎、東京の若者たちが、持続可能な開発目標(SDGs)に基づいた持続可能な未来のための核軍縮・不拡散について、グループに分かれてアイデアを提示、その後選ばれたグループが専門家のパネリストの前で発表し、意見を仰ぎました。

パネリストは、中満泉 国連事務次長・軍事担当上級代表、湯﨑英彦 広島県知事/へいわ創造機構ひろしま(HOPe)代表、隈元美穂子 国連ユニタール持続可能な繁栄局長兼広島事務所長。進行はPeace Culture Village専務理事の住岡健太氏、司会はフリーアナウンサーの森本久美子氏が務めました。

最終プレゼンテーションの模様は、英語日本語でライブストリーミング配信され、世界中のユース世代にも届けられました。

第1部(日本時間12:00-16:00)

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広島、長崎、東京から39名の若者が集まり、核軍縮・不拡散や持続可能な未来の実現に向けたアイデアを34人のグループ(計12グループ)に分かれて発表しました。SDGsの「3-すべての人に健康と福祉を」、「5-ジェンダー平等を実現しよう」、「9-産業と技術革新の基盤をつくろう」、「13-気候変動に具体的な対策を」のいずれかを目標に掲げ、プレゼンテーションを行いました。広範なディスカッションを行った後、グループに分かれてアイデアを出し合い、上位4グループが次のセッションに進み、専門家のパネリストを前に最終プレゼンテーションを行いました。

Peace Culture Villageのボランティアの方や専務理事などにサポートいただき、参加者は20年後の未来を描き、その理想的な未来を実現するために世界レベル、国家レベル、そしてより身近なレベルでどのような行動を取る必要があるかを考えました。各参加者はチームメンバーと積極的にアイデアを交換し、議論し、グループプレゼンテーションをピッチしました。他のチームの発表を聞いた後、各グループは第 2 セッションのグループを選定しました。

第2部(16:30-18:00)

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英語日本語によるライブストリーミング。

第2部では、上位4グループが専門家のパネリストを前に持続可能な未来についてのアイデアを発表しました。

グループ1SDGs 3-すべての人に健康と福祉を

  • 医療専門家を各国に派遣することで国家レベルで貢献すること、また、ボランティアや寄附によって個人レベルでも貢献すること、そして世界中の若者と交流し、この目標を達成するためのアイデアを議論することを提案しました。また、健康と幸福の重要性を理解するための教育を受けることの重要性を強調しました。

グループ2SDGs 9-産業と技術革新の基盤をつくろう

  • まずお互いを理解し、違いを受け入れること、違いを議論するための対話を行うこと、適切な教育を受けること、核軍縮という視点だけでなく、様々な角度から平和を考え、平和に貢献することの重要性を指摘しました。テクノロジーについては、現在のテクノロジーを使って世界中の人々とつながり、歴史が繰り返されないよう、悲劇をバーチャルな形で再現する技術をさらに発展させることを提案しました。

グループ3SDGs 13-気候変動に具体的な対策を

  • 軍事費を環境問題に取り組むための支出に転換し、軍事力や経済力ではなく、対話によって問題を解決していく考えを発表しました。また、世界中の子どもたちが平和教育を受け、教育を通じて平和のメッセージを発信し、若者が行動できるようにすることの重要性を強調しました。

グループ4SDGs 5-ジェンダー平等を実現しよう

  • まず、大学までの教育無償化を提案し、万人のための教育に焦点を当てました。これにより、国民の学力を高めることができると述べ、また、平和教育を受けることの重要性を強調しました。男女平等については、男女平等の重要性を理解するための教育を受けることが重要であると強調しました。

専門家パネリストからのフィードバックの概要は以下の通り。

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"戦略的フォーサイト "と呼ばれる、まず理想的な未来を描き、それを実現するためのアプローチをとるという手法は、国連でも取り入れられており、今回のイベントはこの先進的な手法を取り入れて議論されていることに、大変感銘を受けました。ぜひ、このフォーサイト(先見性)を継続して磨き、その学びを周囲に広めていってください。」-中満泉(国連事務次長・軍事担当上級代表) 

「問題解決のためには課題の裏返しではなく、原因を分析し、仮説を立て、根底にある課題を考えるということが重要です。多くの発表で教育という言葉がキーワードになっていましたが、教育が非常に重要であることは私も同感。多くの問題を解決する妨げとなっている偏見をなくすためにも、教育は重要です。もうひとつ重要なのは、各国間の対話です。たとえ時間がかかるように見えても、対話を通じて問題を解決するよう努力すべきです。」-湯﨑英彦(広島県知事/へいわ創造機構ひろしま(HOPe)代表)

"学ぶ "ということは、学校に行って知識を得ることだと思われがちですが、知識を習得し、分析し、理解を深め、柔軟に知識を活用し、提案するという段階があります。知識は教師だけでなく、仲間やメンターからも得ることができます。これからも今回のようなイベントへの参加を通じて仲間を作り、知識やプレゼンテーション能力を高めていってほしいと思います。」-隈元美穂子(国連ユニタール持続可能な繁栄局長兼広島事務所長)

パネリストらは、参加者全員が実りある議論と発表を行い、核なき社会と 持続可能な未来の実現に向けた第一歩を踏み出したことに称賛を送り、持続可能な理想の未来を実現するために、若者が行動し、メッセージを発信し続けることの重要性を強調しました。

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Recording: Peace & xx Ideation' – Nuclear Nuclear Disarmament and Sustainable Futures” (English)

Recording: Peace & xx Ideation' – Nuclear Nuclear Disarmament and Sustainable Futures” (Japanese)

国連ユニタールについて

国連訓練調査研究所(ユニタール)は、研修事業に特化した国連機関として、世界各地の人材育成や知識・技術の共有に貢献しています(1963年設立)。2022年には396,046人が受講。ジュネーブ本部のほか、ニューヨーク事務所、広島事務所、ボン事務所があり、世界中に様々なネットワークをもっています。2019年からは持続可能な繁栄局のもと、広島事務所と、ジュネーブ本部の財政・貿易ユニットの職員がともに、起業やリーダーシップ、貿易と金融、デジタル技術、軍縮などについてプログラムを展開しています。紛争後復興の過程にある国の人々への研修などには、原爆投下後から現在の平和都市に至る過程を一つの復興モデルとして講義に組み込むなど、平和で公正な社会の実現にも貢献しています。2023年は、ユニタールの創設60周年、同広島事務所の設立20周年にあたります。

日本での公的な支援組織として、2019年に一般社団法人「国連ユニタール協会」が設立され、国連ユニタールの広報・啓発活動に協力しています。

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