• 2024822日、「自由で開かれたインド太平洋のリーダー育成研修:海洋と人間の安全保障」の第1フェーズが、最終ウェビナーをもって終了しました。
  • 620日から822日までの期間で実施された第1フェーズでは、EdAppプラットフォームでのオンライン学習に加え、4回のウェビナーが行われました。
  • 研修プログラムの第2フェーズは、インドネシア・ジャカルタ(アジアの参加者、910日~20日)とフィジー・ナンディ(太平洋の参加者、101日~10日)で、各地域からトップ80名ずつ(合計160名)を対象に、対面でのワークショップを開催します。
  • 研修プログラムの第3フェーズは20252月に予定されており、第2フェーズで選ばれた合計50名が日本での対面ワークショップに招待されます。
UNITAR

2024  30 日、広島 -2024  22 日、国連ユニタールは「自由で開かれたインド太平洋のリーダー育成研修:海洋と人間の安全保障」のオンライン研修(第1フェーズ)を終了しました。ブルーエコノミー、海洋ガバナンス、海洋安全保障、環境安全保障、気候安全保障、食料安全保障などのテーマを取り上げ、400名以上の研修参加者が2か月間の学習フェーズを修了しました。

この中から選抜160名が、第2フェーズとなるインドネシア・ジャカルタ(アジアの参加者、910日~20日)もしくは、フィジー・ナンディ(太平洋の参加者、101日~10日)での対面式地域ワークショップに参加します。その後、第2フェーズの参加者の中からの選抜50名が、最終フェーズである20252月に予定されている日本での対面式ワークショップに参加します。

この事業は、日本政府による資金提供のもとで、気候安全保障、社会安全保障、経済安全保障、食料安全保障、海洋安全保障を強化するために、太平洋島嶼国とアジア諸国の変革を担うリーダーの能力を構築することを目的としています。

第1フェーズ研修の概要

Resource Persons of the UNITAR Sea and Human Security Training Programme

1フェーズは620日から822日まで、非同期オンライン学習として実施され、参加者は4回のウェビナーとEdAppプラットフォーム上での自習型オンライン学習を通じて、人間の安全保障と海洋安全保障の主要テーマについて学びました。

同事業は、620日の初回ウェビナーで正式に開始し、アジア太平洋地域からの参加者を歓迎しました。また、海洋と人間の安全保障分野の国際開発専門家であるRodrigo R. Garcia Bernal氏とJohanna Diwa-Acallar氏もイベントに参加しました。Rodrigo R. Garcia Bernal氏は海洋と人間の安全保障についてプレゼンテーションを行い、続いてJohanna Diwa-Acallar氏が事業計画・開発についての講義を行いました。また、グループ・ディスカッションも行われ、参加者は熱心に耳を傾けていました。

2回ウェビナーは711日に開催されました。シンガポール国立大学のVen Paolo Bruno Valenzuela氏とメルボルン大学のViliamu Iese氏が、気候変動とそれがアジア太平洋地域の平和と安全保障に与える影響についての講義を行いました。これらの講義に、参加者は関心を高め、活発な議論が展開されました。

81日に開催された第3回ウェビナーでは、ブルーエコノミーの専門家でコンサルタントのMaria Corazon M. Ebarvia氏を講師に迎え、ブルーエコノミーと海洋ガバナンスに焦点を当てた講義が行われました。海洋の環境保全と再生、そして海洋問題が中心に議論されました。参加者は、過去6週間の学びについて意見交換をする機会を楽しみました。

822日、最終回となる第4回目のウェビナーが開催されました。シンガポール国立大学アジア研究所のDhiraj Nainani氏と、太平洋地域環境計画事務局および太平洋気候変動センターの‘Ofa Ma’asi-Kaisamy氏による特別講義を通じて、参加者はアジア太平洋における環境と海洋の安全保障について理解を深めました。このウェビナーでは、参加者がこれまでの講義から学んだ教訓を振り返るための対話型セッションや、参加者の功績を称え祝福する修了式も行われました。

祝辞の中で、国連ユニタールのプログラムチームのメンバーであるリチャード・クライトン氏と中島光氏は、アジア太平洋地域における協力メカニズムの重要性に触れ、第1フェーズでの参加者の連帯的な取り組みを称えました。また、同研修プログラムの次のフェーズの概要の説明も行いました。

1フェーズで参加者は、スマートフォン向けのマイクロラーニングプラットフォームであるEdAppを利用したオンライン研修を受講しました。EdAppは、簡易なアクセスが可能となるように低帯域幅環境向けに特別に設計されているほか、ゲーミフィケーション機能により、双方向性のある学習体験を楽しむことができます。このオンラインコースでは、アジア太平洋地域の専門家が監修した、海洋と人間の安全保障に関する主要なトピックに焦点を当てた8つのモジュールが用意されました。コースの最後には、参加者がそれぞれの地域社会で海洋と人間の安全保障を強化するためのアイデアをまとめたプロジェクト計画を提出することが課されました。

次のステップ:第2フェーズと第3フェーズ

次の段階では、選抜160名の参加者が、専門家と交流し、環境安全保障、気候変動への耐性と災害リスクの軽減、人権と公平性、若者のエンパワーメントといった喫緊の社会問題について深い理解を深めるための地域のワークショップに参加します。参加者はまた、リーダーシップとチームワークのスキルを高めながら、プロジェクト計画に磨きをかけるための指導やコーチングのサポートを受けます。

最終段階となる第3フェーズのワークショップは、日本国内でのスタディーツアー、講義、日本国内の機関や民間企業、起業家とのディスカッションが行われる予定です。

「自由で開かれたインド太平洋のリーダー育成研修:海洋と人間の安全保障」事業について

「自由で開かれたインド太平洋のリーダー育成研修:海洋と人間の安全保障」事業は、気候安全保障、社会安全保障、経済安全保障、食料安全保障、海洋安全保障を強化し、太平洋全体の連携メカニズムを確立するためのスキルや知識、能力を、太平洋島嶼国およびアジア諸国の変革の担い手となるリーダーに提供することを目的としています。同事業は、アジア太平洋地域における災害に対するレジリエンスを構築し、海と人間の安全保障を強化するための一連の研修プログラムから構成される、「しまなみコレクティブ」プログラムの一環として実施されています。

国連ユニタールについて

国連訓練調査研究所(ユニタール)は、1963年の設立以来、研修事業に特化した国連機関として、世界各国の人材開発を支えています。2023年には、54万人以上が受講。ジュネーブ本部のほか、ニューヨーク事務所、広島事務所、ボン事務所があり、様々なネットワークをもっています。2019年からは持続可能な繁栄局(Division for Prosperity)のもと、広島事務所と、ジュネーブ本部の財政・貿易ユニットの職員がともに、起業やリーダーシップ、貿易と金融、デジタル技術、軍縮などについてプログラムを展開しています。紛争後復興の過程にある国の人々への研修などには、原爆投下後から現在の平和都市に至る過程を一つの復興モデルとして講義に組み込むなど、平和で公正な社会の実現にも貢献しています。

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