2021年6月1日・広島 - 国連ユニタール持続可能な繫栄局は、2020年度の「架け橋に ー 南スーダン起業・プロジェクト企画プログラム」を6月1日に開始いたしました。日本政府の支援のもとで実施される本プログラムでは、南スーダンの様々な分野で活躍する若手75人が6か月間のオンライン研修によって、社会的起業のスキル、経営分析やプロジェクト立案計画などについて学びます。
南スーダンではインターネット環境が十分に整っておらず、研修生が携帯電話などの低容量のデータ環境でも学べるよう、成人向けのマイクロラーニングを取り入れた無料アプリEdAppを活用します。また、インターネット接続に必要な機材も用意しています。
7月に独立10周年を迎える南スーダンでは、内戦からの復興が徐々に進んでいます。しかしながら、国連開発計画(UNDP)発表の2020年人間開発指数(HDI)によると、南スーダンは対象国189か国のうち185位で、国民の91%が貧困ライン以下の生活を送っています。新型コロナウイルスのパンデミックが、これまでの前進をくつがえし、就職率や貧困を悪化させています。本プログラムは、若手の起業家育成を通じて、人々の生活や国の復興に貢献していきます。
6か月間の研修期間には、大きく分けて2つの段階があります。第1段階では、研修生がそれぞれ自分のペースで進める非同期型学習で、プロジェクト立案計画・デザイン、組織のニーズ把握、環境分析などについて学んでいきます。第2段階では、ウェビナーで起業についてや、事業運営、リーダーシップスキルを学びます。現地のコーチやメンターが研修生それぞれの学びやその実践をきめ細やかに指導します。
本プログラムを現地でコーディネートするMarial Duanyさんは、次のように話しています。
学んだ知識やスキル、そして社会起業家としての姿勢は、個人に還元されるだけでなく、その所属先や地域全体に波及します。
国連ユニタールとは
国連訓練調査研究所(ユニタール)は研修事業に特化した国連機関として、世界各国の人材開発を支えています。広島に本部を置く国連ユニタール持続可能な繫栄局は、発展途上国の社会問題を解決したいと願う若きチェンジメーカーや女性を対象として、豊かでインクルーシブかつ持続可能な社会の実現を推進していきます。草の根活動を変革の原動力として後押しするために、2015年に南スーダン現地事務所が開設されました。