• 国連ユニタール「アフガニスタンの女性と若者を対象とした食料・経済安全保障促進のための起業家精神」研修事業の第3フェーズが、2025222日から26日までカブールで開催されました。
  • アフガニスタン18州から、50名の女性と30名の男性、計80名の若手起業家がワークショップに参加しました。
  • 本研修は、参加者が地域の食料安全保障と経済安定の強化に貢献することを目指し、財務および起業に関する実践的なスキルを身につけることを目的として、日本政府による支援の下で20248月から2025年2月にかけて実施されました。
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2025414日、カブール - 2025222日から26日にかけて、アフガニスタン・カブールにおいて、「アフガニスタンの女性と若者を対象とした食料・経済安全保障促進のための起業家精神」研修事業の最終第3フェーズが開催されました。民間セクター、現地の市民社会組織、国際機関、学術機関など、多様な分野から集まった80名の有望な若手起業家が参加しました。

この5日間のワークショップでは、ビジネスの実践的な運営に焦点を当てたもので、これまでのオンライン第1フェーズおよび第2フェーズの参加者の中から選ばれた、女性50名、男性30名が対面式の研修に参加しました。参加者はアフガニスタン全34州のうち18州から集まり、ビジネス事業の強化と同国の経済回復への貢献を目指して、重要なビジネススキルを学びました。

同事業は、日本政府の支援を受けて実施されました。

インタラクティブなワークショップ:起業力とチームワークの育成

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20248月に開始された本研修プログラムには、これまでにアフガニスタン全34州から延べ2,158名が参加し、アフガニスタンの現状に即した実践的な研修内容が提供されました。

3フェーズでは、これまでの研修の成績優秀者80名が以下のような主要トピックに沿って研修を受講しました。

  • 中小零細企業(MSME)の予算編成と資源の割り当て
  • ビジネスモデルと市場調査
  • 競合分析と戦略計画立案
  • リーダーシップと意思決定
  • アジャイル・プランニングとマネジメント

参加者は、アフガニスタンが直面する経済課題に取り組む実践的なビジネスプロジェクトをグループ別で企画し、提案しました。

研修期間を通して、参加者は、効果的なビジネスピッチの準備と発表方法について、実践的な知見を得ました。グループでの協働を通じて、課題の特定や解決策の立案、市場機会の分析、収益戦略の策定など、ビジネスの重要要素に焦点を立てて、革新的なビジネスアイデアを策定しました。参加者が練り出した革新的なアイデアは、地元における雇用創出、経済レジリエンスの強化、持続可能な起業活動の促進に資する可能性を有しています。

特に、財務予測と損益分岐分析に重点が置かれ、コスト構造、収益予測、収益化のタイムラインの理解を深めることで、事業の才税的な持続可能性を見極める力が養われました。また、戦略目標や競争優位性、投資ニーズを明確に伝えるプレゼンテーション能力も強化しました。

このインタラクティブなワークショップを通じて、参加者たちは起業・財務リテラシーを高めたのみならず、チームワーク、意思決定力、スピーチスキルなど、アフガニスタンの変化するビジネス環境を切り拓くために不可欠な能力を習得しました。

この研修プログラムは、私のキャリアにおける大きな転機となりました。再び希望を持つことができ、自分の州の食料安全保障に貢献するビジネスを構築する自信を得ることができました。 ーFarida Mohammadi、国連ユニタール研修参加者(アフガニスタン・バーミヤン州)

国連ユニタールの研修に参加することで、地域資源であるピスタチオを活用し、国際市場に通用する製品を開発することができました。また、本プログラムを通じて、ビジネス戦略の策定方法や、それを実際のニーズと結びつける実践的なスキルを習得することができました。 ーJamaluddin Ikhlas、国連ユニタール研修参加者(アフガニスタン・パクティア州)

同研修事業の実現は、困難な状況下においても経済成長とイノベーションを推進する、新たなアフガン起業家世代の育成に向けた重要な一歩となりました。

アフガニスタンの女性と若者を対象とした食料・経済安全保障促進のための起業家精神」研修事業

本研修事業は、日本国および日本国民のご支援のもと、食料安全保障と地域経済の安定を促進することを目的として行われました。研修は2回のオンライン研修を含む全3フェーズで構成され、20248月から20252月にかけて実施されました。国連ユニタールは同研修を通して、起業やアグリビジネスに関心を持つ若者を対象に、財務管理および起業に関するスキルを提供しました。

詳細は以下よりご覧いただけます。

https://unitar.org/about/news-stories/news/call-applications-food-and-economic-security-through-entrepreneurship-training-women-and-youth

国連ユニタールについて

国連訓練調査研究所(ユニタール)は、1963年の設立以来、研修事業に特化した国連機関として、世界各国の人材開発を支えています。2023年には、54万人以上が受講。ジュネーブ本部のほか、ニューヨーク事務所、広島事務所、ボン事務所があり、様々なネットワークをもっています。2019年からは持続可能な繁栄局(Division for Prosperity)のもと、広島事務所と、ジュネーブ本部の財政・貿易ユニットの職員がともに、起業やリーダーシップ、貿易と金融、デジタル技術、軍縮などについてプログラムを展開しています。紛争後復興の過程にある国の人々への研修などには、原爆投下後から現在の平和都市に至る過程を一つの復興モデルとして講義に組み込むなど、平和で公正な社会の実現にも貢献しています。

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