- 2026年7月8日、スーダンの紛争影響下にある女性および国内避難民221名が、国連ユニタール「2026年度スーダンRISE Lab研修」の起業・アグリビジネス研修を開始しました。
- 本プログラムは、日本政府および日本国民の支援により無償で提供され、英語とアラビア語の両言語で実施されることで、脆弱な立場に置かれた人々が参加しやすい環境を整えています。
- 参加者は3つのフェーズで構成されたプログラムを通じて、起業、食料安全保障、気候変動に配慮したアグリビジネス、財務管理に関する知識とスキルを習得し、生計の再建と人道支援への依存軽減を目指します。
- 学習は、自習形式のオンライン講座に加え、ウェビナー、実践課題、ディスカッションフォーラムを組み合わせて実施されます。また、インターネット接続が不安定な参加者も利用できるよう、教材はオフラインでも利用可能です。
- 本プログラムは、紛争の影響下にある女性や国内避難民が、地域の復興と持続可能な食料システムを支える起業家・イノベーターとして活躍できるよう支援することを目的としています。
2026年7月30日、広島 — スーダンの紛争影響下にある女性および国内避難民221名が、国連訓練調査研究所(国連ユニタール)の「2026年度スーダン RISE Lab (レジリエンスのあるアイデアと持続可能な起業家精神(RISE)ラボ) 研修事業:研修と能力開発を通じた持続可能な農業・生計ソリューションの共創」を2026年7月8日に開始しました。本プログラムは、紛争や避難生活、経済的不安定という厳しい状況の中にある参加者が、生計を立て直し、家庭の食料安全保障を強化するとともに、持続可能な収入創出につながる取り組みを実現するために必要な実践的な知識とスキルを身につけることを目的としています。
日本政府および日本国民の支援により無償で提供される本プログラムは、2026年7月から2027年2月までの約8か月間にわたり、3つのフェーズに分けて実施されます。第1フェーズでは、食料安全保障、起業、アグリビジネスに関する基礎知識を学び、第2フェーズでは、その知識を活かして地域の実情や課題に即したビジネスアイデアや解決策を構築します。最終フェーズでは、メンタリングや実践型学習を通じて、アイデアの検証・改善・発展に取り組みます。
緊急事態や紛争の影響を受けた地域では、実践的なスキルや市場へのアクセスは、生計の維持と復興に不可欠な要素です。本プログラムでは、起業、食料安全保障、気候変動に配慮したアグリビジネス、事業運営に関する研修を通じて、参加者が実現可能なビジネス機会を見いだし、生産活動を再開するとともに、不安定な人道支援への依存を減らせるよう支援します。
第1フェーズ:基礎知識を習得
第1フェーズでは、参加者が客観的な根拠に基づいて、具体的な課題やビジネス機会を見極める力を養うことを目指します。主な学習内容は以下のとおりです。
- 食料安全保障と農業バリューチェーン
- 起業家マインドセットの開発
- 課題の特定とビジネス機会の発掘
- 持続可能で拡張性のある事業開発
- 財務管理
- デジタル起業
- 市場調査と課題検証
参加者は体系的な市場調査を実施し、事業の実現可能性を検証するとともに、客観的なデータを活用して、自ら取り組む課題の規模や重要性を分析します。この成果は、後続フェーズで具体的な解決策を構築・検証するための基盤となります。
紛争や社会的不安定が続く状況下で、実効性が高く現地のニーズに即した研修を提供するためには、研修設計そのものに綿密な工夫が求められます。本プログラムでは、より多くの地域の参加者が学べる環境を整えるため、英語とアラビア語の両言語で研修を実施します。また、インターネット接続が限られている、あるいは不安定な参加者にも配慮し、モバイル端末で利用しやすい学習プラットフォームを採用しています。短時間で学べる学習コンテンツに加え、コンテンツをダウンロードしてオフラインで学習することも可能です。
さらに、自習型のオンライン学習に加え、双方向型ウェビナー、実践課題、ディスカッションフォーラム、動画教材などを組み合わせることで、より参加型の学習環境を提供します。また、アラビア語圏で活動する現場実務者やコーチ、国連ユニタール研修修了生が、国際的な専門家とともに参画し、地域に根ざした知見や言語面でのサポート、実践的な助言を提供することで、参加者が学んだ知識を地域の実情に即した実践へと結び付けられるよう支援します。
初日から高い関心を示す参加者
プログラム初日から、参加者は本プログラムを通じて実践的・専門的な能力を高めたいという強い意欲を示しました。多くの参加者は、コミュニケーション能力やリーダーシップ、チームワークといったソフトスキルに加え、アグリビジネス、事業計画、市場分析などの専門スキルも身につけたいと期待を寄せています。 また、ビジネスネットワークや起業支援機関、メンター、投資家とどのようにつながればよいか、さらに、自らのビジネスアイデアを効果的に発信・提案する方法についても高い関心が寄せられました。
オリエンテーションセッションでは、参加者から、事業計画、市場分析、コミュニケーション、リーダーシップに関するスキルをプログラムを通じてどのように強化していくべきかという質問も多く寄せられました。また、メンタリングやビジネスネットワークへのアクセス、市場の混乱や資金調達の制約がある環境に適したビジネスアイデアの構築方法についても高い関心が寄せられました。
2026年度RISE Lab研修を通じて、国連ユニタールは、紛争の影響を受けた女性や国内避難民が、実践的な起業スキルを身に付け、地域の実情に即した生計向上の機会を切り拓くことができるよう支援します。本プログラムは2027年2月まで実施され、参加者は基礎学習から事業開発、メンタリング、実践型学習へと段階的に学びを深めていきます。
国連ユニタールについて
国連訓練調査研究所(国連ユニタール)は、1965年に設立された研修事業に特化した国連の専門機関です。質の高い研修と研究、革新的な学習ソリューションを通じて、人々の知識とスキルの向上を図ることを使命としています。
国連ユニタールは、戦略的パートナーシップとグローバルな学習プラットフォームを通じて、個人の能力開発と、特に脆弱な状況下にある機関・組織の能力強化に取り組み、「持続可能な開発のための2030アジェンダ」および「未来のための協定(Pact for the Future)」の実現を推進しています。
詳しくは国連訓練調査研究所(国連ユニタール)広島事務所をご覧ください。